216話 ガルドの罪-3

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


「はははっ! いい声で鳴くじゃないか! まるで獣みたいだ!!」


 男性器を潰された激痛で、ガルドは絶叫を上げた。

 ショック死しないあたりは、さすがA級スキル【剣聖】持ちといったところか。

 ただ、痛みのせいで気絶することもできずに悶え苦しんでいるようだが。


「うわああぁっ! ガルド様がやられたぞ!!」


「た、退却しろーっ!」


 連合軍が一斉に逃げ出し始めた。

 統率を失い、散り散りになっていく。

 それを、レスティやサテラたちが追撃していく。


「終わったようじゃな?」


「……リリアか。いいや、まだ終わっていないさ。俺を追放した張本人のブリケード国王は健在だし、ルーシーもまだ生き返っていない。だが確かに、1つの節目ではあると思う」


「ふむ。そやつにトドメを刺すのか?」


「当然だ。俺はこの手でケジメをつける」


 S級スキル【竜化】持ちの俺が、トカゲと間違われて被った数々の屈辱は忘れていない。

 ブリケード国王から追放を言い渡され、ガルドに追撃され、ルーシーや村人を殺された。

 ガルドを殺せば、1つの区切りがつくはずだ。


「待て、ライルよ」


「何だよ? ……まさか、『復讐は何も生まない』とか言うつもりか?」


「そうではない。じゃが、例のルーシーとやらを蘇生させるためにはエリクサーが必要じゃ。そして、その調合は簡単ではない。微調整が必要じゃ」

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