215話 ガルドの罪-2

「ダメだね。お前はここで殺す」


「ま、待て! そもそも、くだらねぇ平民どもを殺したから何だって言うんだ! あの村娘だって、王族たる俺からすればオモチャにしか過ぎない! お前だって、どうせ遊び半分だったんだろ!?」


「……」


「お、俺を殺すのはまずいだろ! なぁ!! 兄弟!! 俺たちは何も変わってねえ!! 王族として、愚民どもの上に立つ存在だ! そうだろう!?」


 ……反吐が出るな。

 昔はこれほど傲慢な奴ではなかったはずなのだが。

 これがガルドの本性か。

 あるいは、A級スキル【剣聖】の弊害か……。


「お前がルーシーを汚したのは……この愚劣なモノでか?」


 俺は、左手でガルドの首を拘束したまま、右手で股間を鷲掴みにする。


「ぐおおおっ!? 痛てぇ……っ!! 何をするつもりだ!? やめろぉ!!」


「同じことが二度とできないように去勢してやろうと思ってな。S級スキル【竜化】持ちの俺の握力は半端じゃないぜ?」


 そう言って握り潰そうとすると……。


「あががっ!! やめてぇぇぇぇ!!」


「くくっ。情けない声だなぁ? こうなってしまうと、流石に形無しだな」


「や、やべでぇ……。やべでぇ……」


 ザワザワッ!!!!

 周囲にいた連合軍の兵士たちに動揺が広がる。

 元より俺の仲間たちに圧倒されていた彼らだが、大将たるガルドの劣勢を見て完全に委縮してしまったらしい。


「さぁ、死ね」


「やだぁぁぁぁぁぁ!!!」


 グシャッ!!

 ……と音を立てて俺の手の中にあったものが潰れた感覚があった。

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