第4話 父ちゃん②

 聞いて。聞いて。


 それでも父ちゃんは基本、いい人です。


 ちっちゃい頃の記憶で、兄ちゃんが手術で入院して、母ちゃんがそれに付き添って、父ちゃんとぼくの二人きりになった時、スナック菓子食べさしてくれました。


 飛び上がるほど美味かった。


 母ちゃんが健康熱心で、子どもに食べさすものを細かく決めてたから、ぼくは初めてジャンクフードを食べることが許されました。


 父ちゃんは共犯者の顔で、小鼻をひくひくさせました。





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