隣の席のお姉さま
うだるような暑さ。照りつける夏の太陽。汗びっしょりで気持ち悪いYシャツの背中。
そして、今日は祝日なのに登校日。
そんな日に電車を待っているときの気持ちは、そりゃ心躍るってわけにはいかない。たとえ通りすがりのジェームス・ブラウンが私に向かってソウルミュージックを熱唱してきたとしても、私の心は揺るがない。
それでも、いつもの私であればこの電車を待つ時間に、心がブレイクダンスとは言わないが小躍りくらいはする程度に楽しみにしていることがあるのだ。少なくとも昨日までは。
私は毎日同じ時間の、同じ号車に乗って、同じ席に座る。もちろん朝の通勤時間なので、私が乗った時点では大体満席なのだが、毎日同じ席に座っているおじさんがいるのだ。その人は私が乗ったひとつ先の駅で降りるので、すかさず私はおじさんと入れ替わりでその席に座ることができる。毎日私が同じ席に座ることができているのは、このためだ。
そんな私の指定席だが、隣に必ずとある女の子が座っている。彼女も毎日同じ席をキープしていて、いつも優雅に読書をしている。制服からして私の学校よりも遠い駅にあるお嬢様学校の生徒と思われるが、名前も学年もわからない。しかし長く伸びた美しい黒髪と、背筋をぴんと伸ばして読書をするその凛とした姿を眺めているとつい「お姉さま」と呼びたくなってしまう。一方私はぼーっと乗客や車窓を眺めているか、テストが近くなると単語帳を開いて英単語の勉強をしているかくらいのもので、彼女と比べたら雲泥の差、月とスッポンといったところか。
そんな名前も知らない彼女の隣に座り、彼女の姿を眺めることが日々の癒しであったのだが、今日は祝日。彼女は他校の生徒なので、さすがに今日ばかりは乗車していないであろう。気分は最悪。祝日に登校させるのは法律で禁止させたほうがいいな、うん。訴えたら勝てる。出るとこ出ますよ。
そんなことを考えている間に、アナウンスが流れて電車がホームに滑り込んでくる。いつもと比べて乗客数は半分以下。車内はガラガラだ。私の指定席は先頭車両の奥側一番端の席のひとつ隣だ。いつもどおりそこに座ろうと、私は歩を進める。
するとそこには、ななななんと! 昨日とまったく変わらない制服姿で、優雅に読書をしているお姉さまの姿が。なぜだ、今日は祝日のはずなのに!? たまたま彼女も登校日だったのか、もしくは祝日なことを知らずに登校してきてしまうお茶目さんだったのか!?
私はいつもの指定席を目前にして立ち止まってしまう。車内はガラガラで、他にも空席はいくらでもある。この状態で、わざわざ彼女の隣を選んで座るというのは、なんとも不自然ではなかろうか。彼女とは私が一方的に心の中で姉妹の契りを交わしてしまってはいるものの、現実には一度も言葉を交わしたこともない赤の他人だ。普通に考えたら間にひと席空けて座るか、全然別の席に座るのが常識だろう。
すると彼女が本を読む体勢はそのままに、ちらりと視線だけ私に向けて、すぐに戻した。今のは……どっちだ?
隣に座ってほしくないという意味か、座ってもいいという意味か……。彼女の表情は一見するといつもどおりのクールな佇まいで、そこから明確な感情は読み取れない。しかし……私の気のせいかもしれないが、そこにほんの少しだけ期待の感情が含まれているように見えたので、私は思い切って彼女の隣に座ってみた。
嫌がられるだろうか。いや、これまでも私が隣に座るのが嫌だったのかも。明日からはこの車両に乗ってこないかも。そんな不安で胸が押しつぶされそうになる。私は恐る恐る隣に座る彼女の横顔を見る。
彼女は読んでいた本に栞を挟んで閉じてから、改めてこちらを向いて、目と目が合う。私がぎこちないながら笑みを浮かべると、彼女も唇の端と目じりが緩んで、にっこりと微笑む。
かっわいい~~~!!天使か!?
思わず昇天しそうになったけど、本を閉じて私に向き直ってくれたということは、恐らく私と会話したい意思があるということだろう。であれば、私から話しかけなければ。
「きょ、今日は電車ガラガラだね」
第一声から若干噛んでしまう。ああ、神様。今日だけでいいから私にスキャットマン・ジョン並みの早口が噛まずに言えるような舌を授けてください。後生ですから。
「そうね。今日は祝日だもの」
彼女は微笑みを湛えながら返事をしてくれる。一度も彼女の声を聞いたことがないはずなのに聞き慣れているような、しっくりとくる声色。聞いているだけで心が安らぐ、豊かな声音だ。そしてどうやら彼女は祝日ということを知らずに電車に乗ってしまったわけではないようだ。
「そうだよね……あ、うちは今日普通に登校日なんだけど、そっちもそうなの?」
「そうよ。偶然お互いに祝日が登校日だったみたいね」
「へぇ~~~すごい偶然! 私その……いつもの席に座ってるのを見て、『もしかして祝日だと知らずに登校してきちゃったのかな?』なんて一瞬思っちゃった」
私の言葉を聞くと、彼女の表情から微笑みが消えて、私の顔をじ???っと見つめられる。どうやらアホの子扱いされてご機嫌斜めのようだ。沈黙に無言の怒りが込められている気がする。怒った顔もかわいらしい……とは言えども機嫌を損ねられたら口を聞いてくれなくなってしまうかもしれない。私は慌てて謝罪を入れる。
「ご、ごめん。私がそういうドジをよくするタイプだから、ついそう思っちゃっただけ。別にあなたがそういう子だと思ったわけじゃないよ」
弁解の口上を述べるも、彼女はまだ口を閉ざしたままだ。えっさっきの言葉選びひとつで彼女の心を閉ざしてしまったのか……? まさかこれでBAD ENDですかこのシナリオ……? と絶望しかけたところで、不意に彼女が口を開く。
「……ちなみに今日が何の祝日だか知ってる?」
「えっ……たしか……」
不意を打たれて、私は必死に記憶を辿る。たしかシンプルなやつだったはず。
「……海の日?」
「正解。……なんで疑問系なの?」
「海の日か山の日か、五分五分だった」
「山の日は8月でしょ」
彼女は呆れた顔だ。『私はこんな奴にアホの子扱いされたのか』と言わんばかりの彼女の目線が痛い。私は苦笑いするのが精一杯だった。
「じゃあ、海の日が何をする日なのかってのは知ってる?」
彼女の目は言外に『どうせ知らないだろうけど』と語っているように見える。悔しいけどそれは大正解だ。
「みんな海へ遊びに行こうよ??楽しいよ??っていう日じゃないの?」
「……誰からの誘いなのよそれは? まぁひろーーい意味で捉えればそれも正解と言えなくもないけど……一応法律上は海への感謝と海洋国家日本の発展を願う日と規定されていて、各自治体は海への理解を深める行事を催すように努めることになっているんですって」
「へぇ??でも今日みたいに学校があるんじゃダメだよね。私も海への理解を深めたいのになー、学校があるんじゃなー、しょうがないよなーっていう」
「海へ遊びに行きたいだけじゃなくって?」
「へへへ、ばれたか」
私と彼女は顔を見合わせて笑う。彼女が案外私の冗談に付き合ってくれるタイプの人だったので、初めてなのに結構会話が弾んで嬉しい。少し彼女と打ち解けられたような気がする。彼女は……なんという名前なんだろう?
「私、西村あかね。西校に通ってる一年生。あなたは?」
「あかねさん、ね。私は東城真琴。真実の真に大正琴の琴でまことよ。私も同じ一年生。学校は……制服見ればわかるわよね」
制服マニアでなくても、この辺の人ならその制服を見れば一発で学校名がわかる。今どき珍しいワンピースタイプで、ブレザーにありがちなネイビーではなく黒がベースの気品あるデザイン。間違いなく地元で有名なあのお嬢様学校だ。
「わかるけど……あそこってたしか、私の降りる駅から更に30分くらいかかるよね?どのくらい電車に乗って通学してるの?」
「あかねさんが乗ってくるまで30分、西村さんが降りるまで30分、私が降りるまで30分でざっくり1時間半ってとこかしら」
「い、1時間半も電車に乗ってるの!?」
彼女は涼しげな顔をしているが、私は思わず声のボリュームが大きくなる。いつもより車内が閑散としているだけに、私の声がよりいっそう響いてしまう。
「……今日はあまり人がいないからいいけども、明日からはもう少しお口のボリュームを下げて頂戴ね、あかねさん。ちなみに家から学校までのドアトゥドアでいえば2時間はかかるわよ」
「2時間も……考えられないなぁ。寮とか入らないの?」
「寮はもちろんあるし、できれば入りたいけど……親が許してくれないのよ」
「そっかぁ、厳しいんだね」
東城さんは車窓のほうを眺めている。そこに親の顔でも思い浮かべているのだろうか。その顔つきからして、どうやら少なからず親に対して不満があるようだ。過保護な親というのも、それはそれで色々大変なのだろう。
「通学時間長いからいつも読書してるんだね」
「ああ……そうね。さすがに1時間半をずっと座ったままというのは退屈だし、読書は好きだからすっかり習慣になってしまったわ」
「へぇ??毎朝の読書ってやっぱりかっこいいなぁ……ちなみにいつも気になってたんだけど、どんな本を読んでるの?」
「興味が沸いたらなんでも読むわ。幸い、いわゆる名作と呼ばれる部類の本は大体家に置いてあるし、無くても頼めば買ってもらえるし」
大体の名作文学が置いてある家、というのはどんな家なのだろうか。少なくともうちのようなしがない郊外の一軒家に所狭しと本、本、本……という訳ではあるまい。きっと、それだけの本を置いても屁でもないくらいの広さということだろう。
「な、なんだか東城さんのおうちはすごすぎて想像がつかないや……」
「そう? まぁ確かに常識から外れてはいるのでしょうね……でも本くらいは誰でも読むんじゃないかと思ったのだけれど」
「うちの家族は誰も本読まないんだよね……お父さんが新聞読んでるくらいかな。うちに名作文学なんて一冊もないよ」
「い、一冊も? 本当に!?」
今度は東城さんの声のボリュームが(私ほどではないが)大きくなってしまう。東城さんははしたないと思ったのか、声を発した後に口を手で押さえる。そんな恥じらいもかわいらしい。こういうところが私と違うんだなぁ……。
「……失礼したわ。ちょっと驚いた。世間一般ではそういうものなのね……」
「世間一般というか、うちは特にひどいほうだと思うよ?。だから名作文学とか全然知らなくて……なにかおすすめとかあったら教えてほしいなぁ」
私が呑気にそんなことを言うと、再び東城さんが目を見開く。
「お、おすすめ……? 私が、あかねさんに?」
東城さんはもはや信じられないといった表情だ。なにか地雷でも踏んでしまったのだろうか。
「あ、いや、できればでいいんだけどね。ごめん、急にこんなお願い図々しかったね」
「いえ。その……誰かに本をお勧めするという機会が初めてだったものだから、少し動揺して……」
東城さんはもじもじした様子だ。私へのおすすめを考えるのが嫌というよりは、おすすめ自体の経験がないから戸惑っているのか。
「……ちなみにどんな感じのものが読みたいの?」
「うーん……やっぱり複雑なものよりかは、わかりやすく面白くて読みやすいものがいいなぁ。ジャンルは問わないけど小説が読みたいかも」
「なるほど。であれば……日本文学かな……いやでも古い日本文学より翻訳された海外文学のほうが逆に読みやすいか……? しかしやはり外国の話に馴染めるかどうか……」
東城さんはぶつぶつ小声でつぶやきながら考え込んでしまった。悩ましい要求をしてしまっただろうか。それとも読書家の人ってこういうものなのかしら。しばらく考え込んだあと、東城さんははっと我に帰って言う。
「はっ……ごめんなさい。つい考え込んでしまって。申し訳ないけど……これは宿題にさせてほしいわ。家でゆっくり考えをまとめながらいくつか作品を選んでくるから」
軽い気持ちでおすすめを聞いたつもりが、だいぶハードルが上がってしまったような気がする。それでも、麗しの東城さんが私のことを考えて真剣に選んでくれるというのだから、嬉しくないはずがない。彼女がそこまでしてくれるというのだから、私も真剣に向き合わなければ。
「ありがとう、東城さん。そこまで真剣に考えてくれるなんて」
……東城さんが真剣に選んでくれた本を私が真剣に読んだとき、全然理解できなかったらすごい気まずいな、という考えが少しだけ頭をよぎったが、それはとりあえず現時点では考えないようにしよう。そのときはそのときだ。
「真琴、でいいわよ」
「え?」
「私のこと『東城さん』じゃなくて『真琴』でいいわ。私たち同い年でしょ?」
なんと、初めての下の名前呼びのお許しをいただけるなんて! でも確かに、向こうはこちらを『あかねさん』と呼んでいるのにこちらが『東城さん』というのは、同級生同士にしては変だ。せっかくなので、更にもう少しだけ踏み込んでみることしよう。
「じゃ、ありがとう、真琴ちゃん」
「なんか照れるわね」
真琴ちゃんは照れ臭そうに私から目を背けているが、決して嫌と言うわけじゃなさそうだ。
「私のこともさん付けじゃなくていいよ。『あかねちゃん』とか」
「あ、あかねちゃん……」
「はーい、あかねちゃんで~~す」
照れながら私を呼ぶ真琴ちゃんに私が明るく返事をすると、真琴ちゃんは呆れてため息をつく。
「……やっぱり『あかね』にするわ。そのほうが呼びやすい」
「ええ??『あかねちゃん』のほうが呼びやすくない? 何度も呼んでみたら慣れてくるって!」
「『あかねちゃん』には一生慣れないと思う」
「ええーーおかしいな、町内会のおじいちゃんたちは『あかねちゃん』呼びでハートを掴むことができたのに……」
私が涙を流すような手振りをすると、真琴ちゃんは鼻でフフンと笑って、口角を上げる。私も思わずえへへと笑い、真琴ちゃんと目を合わせる。
「てっきり真琴ちゃんは年上だと思ってたから、なんか不思議な感じだな」
「あら、ほんと?」
「うん。やっぱり毎朝ぴんと背筋を伸ばして読書してる姿がすごく大人っぽく見えて、とても同級生に見えないっていうか……心の中で『お姉さま』って呼んでたし」
「『お姉さま』?」
真琴ちゃんはきょとんとした顔をしている。ヤバい、つい変なこと口に出しちゃった。自分の頬が赤くなっているのがわかる。
「……ごめん、今の忘れて」
「ふーん……」
一方真琴ちゃんは特に気にする風でもなく、膝の上に置いた本のブックカバーへと視線を落として、少し間を空けた後ぽつりと喋り出す。
「私のほうこそ、あかねはてっきり年上かと思ってたわよ」
「えーっ。本当に? お世辞じゃなくて?」
真琴ちゃんはむっとした顔で私を睨む。どうやらまた地雷を踏んでしまったようだ。
「私、そんな簡単にお世辞を言うような人間に見えるかしら」
「ご、ごめん。でも本当に信じられなくて……私、毎朝電車ではぼけっと座ってボーッとしてるだけだし。なんで年上だと思ったの?」
素直に謝罪して自分の気持ちを伝えると、真琴ちゃんは少し機嫌を直してくれたようだ。真琴ちゃんの機嫌を損ねてしまったときは、とりあえず素直に謝るのが良策らしい。
「ま、実際ほぼ毎朝あかねはボーッとしてるだけなんだけど」
私は思わずドリフのコントよろしくズッコケそうになる。
「腰の悪そうなご老人とかね、妊婦さんが電車に乗ってきて、空席が無くて座れないとするじゃない」
「うん」
「そういうとき、あかねは必ず席を譲るわよね。少し離れた場所に立っている人でも、わざわざ声をかけてまで席を譲る。私はいつも読書に集中してて気づかなかったりとか、気づいても声をかける勇気が出なくて……」
真琴ちゃんは少し気恥ずかしいのか、ブックカバーの生地の感触を確かめるように指先で撫でながら、私に語りかける。
「あと、私の目の前に濡れた傘を持ったサラリーマンが乗ってきたことがあったわよね。そのとき傘の留め具がきちんと留まってなかったのか途中で外れて、サラリーマンも携帯を弄っていてそれに気づいていなくて。傘の水滴で制服も本も濡れちゃいそうなところだったんだけど、そのときあかねが彼に向かって『傘、留め具が外れちゃってますよ』って注意してくれた。あのときは嬉しかったわ」
なんと、私が何気なくとったそういう行動を、真琴ちゃんはしっかり覚えてくれていたのだ。これは私としてもちょっぴり、というかかなり嬉しい。
「……ま、とにかく。そういう、私にはなかなか出来ないことを平然とやる姿を見ていたから、きっと私よりも人生経験豊富なんだなと思ってたのよ」
「ま、真琴ちゃん……! 私のことをそんなふうに見てくれてたなんて……」
「それ以外の日は特に尊敬できる要素は何も無かったけどね」
「な、なんで上げて落とすの!? 褒めっぱなしでもいいじゃん~~」
恐らく最後のは、真琴ちゃんなりの照れ隠しであろう。
「でもなんか面白いね。互いに互いのことを年上だと思ってたなんて」
「きっと互いに、自分に不足している部分を持ち合っているのね。そんな二人が偶然こうして隣り合って座っているなんて、とても不思議」
「そうそう! そして今日たまたま祝日なのに互いに登校日だったおかげでこうして会話できてるんだから、もはや奇跡だよ~~」
「ふふふ……そうかもしれないわね」
それから私たちは互いの学校のことだとかを話して、気がついたら私が降りる駅にそろそろ到着する時間になっていた。まだまだ話したいことがたくさんあるから、名残惜しい。真琴ちゃんは帰宅部だが私は部活があるので、帰りの電車では一緒にならない。だけど、明日からは毎朝二人でおしゃべりしながら通学することができる。そう思うと今朝がたは沈んでいた心もジョン・トラボルタ並みに踊りだすというものだ。
「じゃあ、また明日ね。真琴ちゃん」
「うん、また明日。……おすすめの本、考えておくから」
「そうだね、楽しみにしてる!」
私が電車を降りる準備をして席を立ったところで、真琴ちゃんが私を呼び留める。
「あかね。今日が何の記念日だったか覚えてる?」
「え? ……海の日、でしょ?」
「そう。そして、私たちが初めて会話して……友だちになった日よ。これなら海の日を忘れなくて済むでしょう」
真琴ちゃんはまた少し照れくさそうに、やや頬を赤らめながら、微笑んで言う。私も笑って真琴ちゃんに返す。
「それじゃ今日は、私たちにとって海の日じゃなくて、友だち記念日だね。えへへ」
「その覚え方だと、海の日だってことを忘れちゃうでしょう。……ふふふ」
祝日が登校日というのも、悪いことばかりじゃない。
通りすがりのジェームス・ブラウンよ。今なら私もソウルミュージックに合わせて、ところかまわず踊り狂っちゃうぞ。そんなことを考えながら、私はガラガラの電車を後にして、ホームへと一歩踏み出した。
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