第4話 中筒之男命とシヴァとひかり

サティ「ひかり! 待ちなさい!転ぶわよ!」


サティの言うことも全く聞かず、大好きなガネーシャを追いかけていく、ひかり。


俺達は、日本から帰ってきた。ほんとに、凄い国だった。アトゥムが以前言っていた言葉が頭を離れなかった。


「日本の神々は凄い!、凄い国ぞ!」


中筒之男命。。。あいつ、、、また会いたい。。。


俺は、特に中筒に対してかなりの興味を持ったんだ。


あの強さは、あの、この俺を一歩引かせる、あの内側からの威圧感。


一体何処から作りあげた、何処から来るのか。。。きっと、ラーだって同じく怯むだろうな。。。


俺はそんな事ばかり、考えていたんだ。


ひかり「シヴァちゃま!これあげる!」


小さなひかりが俺に何かを見せる。小さな手のひらには、一粒の種。。


俺はその種を見た瞬間、神からのあの授かりし種を思い出す。


シヴァ「ひかり、この種はどうしたんだ?、、、サティ!」


サティを呼び、ひかりに聞く。


ひかり「父ちゃまに貰ったの。神ちゃまにあげなさいって。」


サティ「神が?、、くれたの?」


ひかり「そう!夜にサティちゃまの所で寝んねしてたら、夢に父ちゃまが来て、シヴァの神ちゃまにプレゼントだって!」


ひかりはそう言うと、その小さな一粒の種を2つに分け、1つをサティの魂の中へ、もう1つを俺の魂の中へ入れた。


サティは泣きながら、ひかりを抱き寄せた。


サティ「ひかり!あなたなんでしょ!あの時の私達の子供!、、きっと、間違いないわ!、、こんな形で、、帰って来てくれた!」


サティ。。。


そうなのか?、、、本当に?。。。


ひかりはニコニコしながら、


ひかり「サティちゃま、泣かないで。。。」


神よ。。。本当にあの子なのか?。。



それから、幾日か経ち、ヴィシュヌが呼びに来る。


ヴィシュヌ「行くぞ!シヴァ!」


シヴァ「何処へだ?」


ヴィシュヌ「日本だ!」


シヴァ「日本?、、、」


俺は胸が踊る!、、中筒。。。


ブラフマー「ひかりを連れて行く。」


ヴィシュヌ、シヴァ「ひかりを?」


ブラフマー「ひかりを日本の中筒に預けるんだ。」


な、なんだと!中筒に預ける?、、だと。。。?


皆が集まってきた。


ガネーシャ「なぜ?ひかりを連れて行っちゃうんだよ!やだよ!」


皆が、そうだそうだ!と口々に言い出す。


ラクシュミー「私達で育てるって言ってましたよね。」


ブラフマー「この娘は、日本とヒンズーの架け橋。また、その他の多種多様の神々とも幾人か関わるようになる。。ずっと日本にいるわけではなく、ヒンズーにも帰る。」


ガネーシャ「そうなんだ。。。すぐに帰ってくる?」


ブラフマー「直ぐかはわからないが、また帰ってくる。それから、シヴァ夫妻は、度々日本へ行ってもらう。ひかりを連れて。」


サティ「え?、、私達がひかりを?」


ブラフマー「そうだ。ひかりの引率だな。。。」


ブラフマーは、笑みを浮かべながら話す。


ブラフマー「それから、二人はその前にひかりと一瞬に来てほしい所がある」


何処へだ?。。。


ブラフマーに案内されたそこは、、、そこに居たのは、親父だった。。


他にも。。。まさか、、、


そのまさかだった。。。


アトゥムがいる。


アトゥム「よく来たな、シヴァよ。

ここは、創造神達が集まる所ぞ。」


やはり。。。てことは、、、


神「シヴァ、サティ。よく来たな。」


神だった。。サティは、すかさず、神に尋ねる。そう、ひかりから貰った種のことを。。。


神「サティ。そなたが想像した通り、あの時の娘ぞ。」


サティは、嬉しさのあまり、泣き崩れた。。。


神「そなた達は、父、母になれる。だから、ひかりが行くとな。本人の意思である。」


神「シヴァよ。これから、益々精進いたせ。お前も感じたであろう。あの男の強さを。。中筒之男命だ。」


シヴァ「やはり、あいつは強いんだろ!何処からくる強さなんだ?!」


神は静かに、おのずと知ることになると。今の俺には解るだろうと言っていた。。。


アトゥム「永い付き合いになるぞ。」


ひかりはサティの頭をなでながら、ママと呼んでいた。。。


サティは、ひかりを抱きしめ、ずっと泣いていたんだ。。。


ブラフマー「さぁ、行こう。中筒之男命のところへ。」


ひかりは中筒に初めて会う。


中筒は優しくひかりを迎えた。恐くないよ。と言わんばかりに。。。


警戒していた、ひかりの緊張を何楽解いた中筒は、俺達を見て、笑みを浮かべる。


中筒「この娘の事は聞いている。大切に預からせて頂く。。」


住吉邸に案内されあの居間に通された。俺達をあの時の神々が待っていた。


ひかりはサティのそばから離れなかった。サティの隣に座り、固まる。。


そこへ、一人女性が入ってきた。その方は、この前には居なかった。


その女性からも、かなりのものを感じる。。。なんとも言えないような、上品な香りがした。


中筒「シヴァ、サティさん、初めてだな。私の手伝いをしてくれている、彼女はセリと言う。」


セリ「はじめまして。アカルヒメにてございます。皆様からは、セリと呼ばれております。よろしくお願いいたします。」


畳に綺麗な姿勢で、座り、両手をついての挨拶。。。

出で立ちから、振る舞いから、、、


容姿はもちろんだが、それよりも、彼女の動作や、言葉遣いが、、なんとも。。。俺が、違う意味で、見とれていると、、、彼女は、すぐに、顔を赤らめる。。。


この国の女性とは、こんな感じなのか?他所では絶対に見られん。そんな感じだな。。。


俺を見るサティが、少々気にはなりながら、しかし、サティも俺の気持を察しているようで、、、カルチャーショックなのだ。。。


この国に来る度に、俺はカルチャーショックを受ける。


日本へ来れば来る程どんどんと好きになる。。。なんて、いい国なんだと。


その頃には、中筒ともすっかり、仲良くなり、親友以上の関係へとなるんだ。。。


ひかりは中筒の元と俺達ヒンズーを行き来する。


ひかりは、中筒に育てられながら、セリと仲良くなっていった。


セリにいろいろと教わっているようだ。何やら、紙を折り何かを作ったり、糸みたいな物を指に通しそれで形を作って、二人で遊ぶ姿をよく見られていた。。


サティとセリも仲睦まじい関係であり、俺達は、打ち解けていく。


ひかりも随分と成長し、姿は、娘になっていた。中筒が、我々に相談があると。


何かとなり、転生させたい話しだった。。。つまり、人間として、降りる。


シヴァ「なぜ?降ろす必要があるんだ?」


中筒「学びと経験、そして、魂の強化だ。精神を鍛えてやりたい。。」


シヴァ「精神だ?」

中筒「そうだ。。。つまり、精神とは心を指す。心を強くする事で、何事にも負けない強さを養う事になる。」


俺は中筒の話に衝撃をうけた。自分の中で全てが繋がるのを感じた。


そう、中筒から、感じたあの強さとは、この事を言っているのだと。心の強さが、中筒から感じていた、強さだったんだと。


表の強さより、内側の強さが、こんなにも、違いが出るとは。。。


俺も強くなりたい!!


皆を守れるよう、強くなりたい!


そう、思った瞬間だった。。。


やがて短命でありながら、ひかりは転生するのだった。。。

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