第3話 日本の神、八百万の神

ブラフマー「さぁ、日本へ出発だ。」


何が出発だ?


おい、おい、、、大丈夫なのか?


アトゥム「シブァ、お前は日本の神を知らぬから、そんな見下すような気持ちなんだ。彼らに会えば、その凄さがわかるぞ。。。もし、わからぬならば、お前はそれまでの器であると言う事になる。」


シヴァ「なんで、アトゥムは知ってんだよ、それに、なんで一緒に行くんだよ。」


アトゥム「私か?ハハハ。興味がありな、許しもらい、ついていくんじゃよ。」


なんだよ、そりゃ。。。


ブラフマー「ついたぞ!」


てか、一瞬で行けるじゃねぇか。


それも、そのはず、日本とは、すでにブラフマーが手を繋いでいる為、霊能って言うか、わかりやすく言えば、そんな物で、繋がりすぐに入れるようだ。


俺たちを待ち構えていたのは、日本の神々だった。。。


な、なんだ?。。。


俺は息を呑む。。。


今までに、見たこともないような、感じた事のない。。。ヒンズーとも、ラー達のようなエジプトの感じともち違う。。なんだ???この透明な感じ。


俺と同じくサティも、ヴィシュヌやラクシュミーも異様な感じを受けていた。


「はじめまして。。日本へようこそお出でくだされた。どうぞ、こちらへ、どうぞ。。。」


かなり年配な感じの男性が口を開く。


皆はその方の案内で、ある社へ招かれた。そこの社の造りはなんとも、厳かで、静まりかえるような、邪など寄せ付けない。そのような、神聖な空気漂う、そんな印象をうけた。


俺達はその社の一部屋へ、通された。


その部屋に入ると更に神々が座り、我々を出迎えた。


俺たちはその一角に座り、日本の神々と対面する。


「まずは紹介しょう。」


そう、先程の男性が口を開く。


「私は、大物主と申す。三輪明神とも言われ、皆三輪と呼んでおります。そして、こちらが、この社の主達てあります、住吉三神と言われます、上筒之男命、中筒之男命、底筒之男命。

そして、天照大御神。その弟であります、須佐之男命。そして、此処にはおられませんが、この国を造りあげられました、神々が上の階層にて、貴方様方をお出迎えされております。」


もう一つの階層だと?。。。


上から声が聴こえてくる。


「ようこそ、お越し下されました。天之御中主と申します。どうぞ、ごゆっくりとお過ごし下さいませ。」


な、なんとも言えないような、透き通るような声だった。。。


な、なんなんだ?この国の神は。。。


この、俺が怯む。。。


中筒之男命「中筒と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。」


これが、おれと中筒との出逢いだった。この時の中筒の印象は今でも忘れない。この中筒から出る内側からの強さ。俺は初めて感じる、今まで出逢ってきた奴らからは感じたこともない、そんな、目には見えないものだった。


シヴァ「シヴァだ。よろしくお願いする。」


俺が手を差し出すと、中筒の表情が緩み、和やかな感じにかわる。


俺達は握手を交わした。中筒に触れるだけで、彼の凄さが伝わる。


凄い。。。なんだ?、、感じた事のないものだ。。。


ヒンズーは各々挨拶を交わしていた。


それからの時は、実に和やかであり、これから、仏教を広める為の話等が、話された。


ヴィシュヌ「しかし、そもそも、なぜに仏教をとお考えに?」


そうなんだ、、なぜに? この国のこの神々ならば、仏教など、必要なのか?、、、まぁ、仏教を取り入れてくれるのは、有り難いが。。。


今は仏教と言えども、当時はまだ、釈尊が教えを解き、まるで、釈尊の哲学のような経典が山のようにあるだけで

如何にして仏教を広めていくのかを模索していた。。。


三輪様「我々はこの国を造り、守り、人々に恩恵を与えながら、導いてきたのですが。。。」


三輪様が話し出すと、我々ヒンズーは

静まりかえり、耳を傾ける。


三輪様は話を続ける。


「国を造り、安泰な平和な世だったのですが、最近になり、魔物や、邪のものが少しずつ増え始めておりまして、それは、こちらで、退治するにしても、人間達に影響を及ぼしております。私共は、見てお分かりかと思いますが、邪のものに、不浄とされるものの所まで、手を入れられないのです。人間達の心に寄り添いたいものの、段々と、人々の心か侵されていくのを、手を出せず、ただ見ているなど、できぬのです。」


ブラフマー「私は、上の階層にて、創造神とされる、幾人かの神々が集まり相談していたのだよ。」


シヴァ「なに?、、そうだったのか?創造神だけの集まりがあるのか?」


ブラフマー「すべてではないが、ある程度の創造神達が集まり、この世界の造りを観察し、各々の国においての問題などをとりあげるなどしているんだよ。そこには、光の神、つまりシヴァの父や、大元の神も参加する。」


シヴァ「そうなのか?!、、親父のヤツ、そんな事一言も聞いたことねぇぞ!」


アトゥム「これっ!シヴァ!言葉が悪いぞ!こちらの神々が、怪しく思われるではないか!。。。真にもって、失礼しました。」


中筒之男命「いや、そのままの姿を見せて頂いた方が、私共は有り難い。シヴァ神殿の成りが、伝わりますから。失礼、悪い意味ではなく、親しみが湧きまして、嬉しく思います。」


俺は少し照れる。。。


釈尊「仏教とは、教えですが、それに伴う、神々がまだおりません。そこから、初め、如何にして人に伝えて行くのかを模索しておるところなのです。」


「それにつきまして、我々もいろいろと考えていました。」


天之御中主様が話をする。


「釈尊様が頂点に立ち、その下にそれぞれ階級をつくり、下から、修行を積み上げて上を目指す。」


釈尊は考え、その提案を取り入れ、尚も考えていた。


釈尊「人間を導きながら、自分が成長し続ける。。。良き案です」


こうして、仏教を取り入れ広めていく為に様々な話し合いが行われ、計画が話し合われた。


そうして、永きに渡り、他国を経由し、仏教がこの国の人々達に届けられたのである。


そこからもすんなりと仏教が浸透するまで、形が確立するに当たるまで、永き時を要したのである。。。

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