幼馴染に「性欲ってある?」と聞いた結果

青水

幼馴染に「性欲ってある?」と聞いた結果

 年頃の男子には性欲がある。

 これはもうわかりきった話で、『呼吸をしなければ人間は死ぬ』くらいの一般常識である。『人畜無害そう』とよく言われる僕にだって性欲は存在する。友達とはエロい話をよくするし、一番盛り上がるのはそういった下世話な話題だ。


 でも、女子はどうなんだろう? もちろん、人にもよるだろうけど、盛りのついた猿のような男子みたいに、性欲に溢れているってことはないと思う。

 わからない。僕は男子で女子じゃないからわからない。


 ――というわけで、聞いてみた。


「ねえ、薫。性欲ってある?」

「……どうしたんだよ、いきなり」

「いや、なんとなく気になってさ」


 ベッドに寝転がってマンガを読んでいた薫は、起き上がって座ると、ぽんぽんとベッドを叩いて、僕に座るように指示した。


 指示通りに、僕は薫の隣に座った。

 ――瞬間。


「おりゃっ!」

「うぎゃっ!?」


 僕はベッドに押し倒された。

 僕は男で薫は女だけど、薫のほうがはるかに大柄で筋力もある。僕は男としてはかなり小柄で、運動も苦手だ。だから、抵抗しても勝てっこない。


「な、なにっ!? なにすんのさ!?」

「さっきの質問の答え」


 僕の言葉を無視して、薫が言う。


「私にも性欲はある」

「そ、そっか……そうなんだね……わかったよ。わかったから、離れて」

「京ちゃんが悪いんだよ。ずっとずっと我慢してたのに、『性欲ある?』なんて質問するから、私もう抑えられない」

「え……ちょ、どういう――」

「幼馴染とはいえ、女の家にのこのこ上がり込むなんて、京ちゃんも不用心だね。でも、もう遅いよ。私から逃れることはできないよ」


 それ、どちらかというと男の僕が言うべきセリフでは?


「というわけで――」


 薫が僕の上に覆いかぶさる。


「――いただきます」


 そうして、僕は幼馴染においしくいただかれたのだった。


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