160試合目 相方は
「で?? 今日もまた編集依頼ってわけですか」
「そゆこと~~~~!!徹っちのいうとおおり!!」
(抑えろ抑えろ抑えろ抑えろ抑えろ抑えろ抑えろ抑えろ抑えろ!!)
「そしたらこんな美人g……ぐへえ!!!」
徹は勢い余って月島を殴る。
(失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した)
「と、ということでやってきたわけだよ……うん」
殴られたせいかすごくテンションが下がるのが見ていても感じられる。
「あ! そういえばカメラは誰が回してるんだ??」
「すっごい、敬語を地中にでも埋めたの?? ……まあ俺の友達だけど……それがどうかした??」
「いや動画に出てるやつはゴミだけど、編集とカメラだけは天才的だからな。誰がやってんのかと思ってな」
「泣くよ??」
「泣けよ」
「うわあああああん!! 繭香!! 徹っちが俺のこといじめる!!!」
「うるさい。静かにして」
「え?」
予想外の答えが返ってきたことに対して反応できなかった月島は部屋の隅っこでしくしくといいながら体操座りで顔を膝にうずめた。
「友達かあ。何て名前なんだ??」
「……結城」
(結城っていうのか。まあ名前教えてくれたしな……。少しくらいは優しくするか)
「これ購買で買ったパンだ。やるよ」
俺は自分のバッグから今朝かった購買のパンを月島にあげて部屋を出た。
「え……え?? ふーん!! そういうことか~~!! 僕のこと好きだけど正直に言えないツンデレさんかあ!!! えへへ!! なるほどねえええ!!! 僕もすきだぜ!!! とおるっちいいいいいい!!!」
最後まで言う頃には月島の喉元にはさっきまで床に落ちていた定規が向けられていた。
「あの……紫……ちゃん??」
「殺す」
「え??」
「殺す」
「……え??」
「さてと……あんなことを紫の前で言うなんてな、俺にはできねえや。あいつももう短い命だな……合唱」
ちーん
俺は歩きながら目を閉じて手を合わせた。
さてそんな俺は今からその結城さんって人に会うため2年生の人にきいて回ることにした。
うちの学校は教室ごとに使う年が違うため、簡単に何年生かが把握できる。
「あの~すいません。結城さんっていうかたをご存じないですか」
俺は廊下でしゃべっていた男子生徒二人に話しかけた。
「結城?? あ~あいつならあそこの教室だよ」
男子生徒は心よく場所を教えてくれた。
俺はそこに向かい扉を開けるとそこには眼鏡をかけ髪は少し茶髪、決して染めたわけではない自然な色、ニットを着て少し暗そうな人が座っていた。
「あの……?? 結城さんですか??」
「へあ!??」
へあ……??
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