144試合目 要領はしっかり守るのが漢
「おかしくねえか」
徹は突然そう言った。
「何が??」
春馬は急に口を開いた徹に躊躇うことはなくいつものように聞き返した。
「いやただの遊びに2話以上使うのはおかしいだろ」
確かにそうだ。いくらタイトル回収ができないからと言って、運動っぽいことしとけばなんとかなると思っているのは大間違いだ。
「うーん。でもいいと思うよ? そんなことより次はなんの遊びする??」
紫は特に深く触れることはなく単純に次の遊びを楽しみにしていた。
「そーですねー。私もできるものがいいですね」
「となるとレーシングゲームかな?」
確かにレーシングゲームなら人のスペックは関係なく、単純に頭脳や駆け引きだけで勝負できる。
「それで俺もいいと思う。春馬は?」
「しゅしゅしゅー!!!」
なるほど。こいつだけ日本語をポカンと忘れたみたいだな。行くか。
五台設置されたレーシングゲームは今話題の家庭用ソフト“アニキカート”のアーケード版だ。
「うわあ。僕、できるかなあ」
ゲーム機の前で立ちすくむ紫に俺は声をかける。
「どうした? 紫は苦手か?」
「苦手というかゲームをあまりやったことがなくて」
「そうなのか! じゃあ初めての体験してみようか」
「ごめん。もう一回言ってほしい」
紫と柚希がにやけながらスマホをこちらに向けてくる。
「いうか!!」
三年になってとうとう紫まで壊れてしまったか??
「おー! じゃあ早速やろう!」
春馬にしてはファインプレイだ。早速やろう。
「でもさあ、普通にやるとつまんないから一位の人が好きな人に命令できる権を懸けてやろー!!」
見誤った。クソプレイだ。
紫と柚希は静かなる闘志を燃やしている。
この2人は想像できていたが、彩花まで何故か闘志を燃やしている。
変なことを考えてい無ければいいけど。
「ぐへへ」
(兄さんと旅行であんなことやこんなこと)
「ふふふ」
(徹君と一緒にデートしてあーんしてもらってそれからそれから……)
うん。なんかわかんないけどダメそう。
「ま、まあとりあえず始めようか……?」
「「「了解」」」
ほんの一瞬、プロの選手に見えたのは気のせいだろうか? いや、気のせいではない。(反語)
皆は席に座り硬貨を入れるとキャラ選択を始めた。
俺はシンプルなアニキ
柚希は素早さ重視のオトウト
彩花はトリッキーなホネカメ
春馬はパワーのゴリラ
紫は一撃必殺のサムライを使うことにした。
「やっぱキャラって性格出るよねー」
「「「わかる」」」
こうして始まったアニキカート。果たして命令権は誰のものに……!!!!
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