141試合目 もじもじ彩花

 いつまで経ってもモジモジしている彩花。そんなに紫が気になるのだろうか?

 あのことを知ったら彩花はどうなるのだろう。

「ど、どうしたんだ? 彩花」

 とりあえず俺はジャブをかます。

「え!? あー。なんでもないっす!!」

 全力で避ける彩花。しかし俺からすればストレート。

「紫が気になるのか??」

 時速200キロストレートパンチ(もはやマッハパンチだろうか? ちょっと足んないけど)を彩花に打ち込む。

「え!??? あ、、、いやあ……。まあ、そうっすね…」

 観念の正面受けに俺は思わずガッツポーズを小さくする。が、彩花は顔を真っ赤にしていてこちらの動作には気づいていない。

「あー! ごめんごめん。憧れの人だもんね!!」

「あ、はい!」

 これ以上はかわいそうなのではぐらかしておいた。

肝心の紫は普段は感が鋭いのだが…

「もー。また新しい女の子にばっか構って〜。僕はどうなんだい??」

 と俺にやたら服を見せてくる。

「あぁ……素敵じゃないか?? 俺は服は疎いけど、おしゃれだと思うぞ」

「えへへ」

 おいおいおいおい。マジでかわいいなおいおいおいおい。

「え? え??」

 彩花は困惑してますよと言わんばかりに驚きをあらわにした。

「ほんとー2人ってお似合いだよねー!」

 春馬が余計ないいことをいう。

「えへへ」

 それを耳に入れて、まるでショートカットかのごとくすぐさま紫の頬が緩む。

「あの〜、一ついいですか? 先輩」

「なんだ???」

「2人ってどういうカンケイなんですか?」

 おーっと爆弾投下卍

「どういう関係ってそりゃ……」

「秘密だよ」

 紫はニヤリと笑って含みのある言い方をする。 うんこれダメだと思う。

「え!?? 秘密ってどういう……」

 何か具体的に聞こうとしたその時、春馬の声でそれはかき消された。

「おー!! 着いた!!!!」

 春馬が指をさしたその場所はなんとスポーツをたくさん楽しめる複合エンターテイメント施設「一番星」だ。

 見た目は赤に黄色にボウリングのピンが目印のおなじみ施設だ。

「やっぱ遊ぶって言ったら、“一番星”だよなあ!」

 俺はかなり興奮していた。なかなか三年になってみんなで遊べてないというのもあるが、一番星が大好きだからである。

「一番星来たならやっぱまずはボウリングでもしますか??」

「いやボウリングは最後で別の……そうだなぁ、バスケなんてどうだ??」

「いいですね!! でも男女で別れるのはあれなのでしっかり強さ同じくらいにしましょ」

 妹よ。春馬がいる時点でそれは不可能だ。



 

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