130試合目 時は流れて。

 あれからかなりの時間がたつ。いつも通りの日常は続き、春馬は勉強にも慣れてきた……と信じたい。

 先日、卒業式がありそこで十文字先輩は卒業してしまった。時というものは流れるのが早い。まるで昨日まで一緒に話していたかのように。

 俺たちは三年生になった。受験が大変なシーズンともいえるだろう。

 そして今日は入学式……らしい。というのもうちの学校は結構特殊で、入学式の日は在学生は休みになるという。一体どんな輩がやってくるのだろうか……。 

「でよ~。なんでみんないるんだ??」

 西屋敷家に全員が集まっていた。カップルと男の娘、妹、変態、ギャル……。属性多すぎんだろ。

「ひどいよ徹君!!! 僕最近出番なくて……。忘れられたのかと思ったよ……」

「私も私も……!!!」

 鈴と紫はお互いに戦友かの如く息ぴったりだ。

「私……妹なのに……妹なのに……!」

 やべえ。柚希が病んでる。

「まあ。それもこれも作者のせいね」

「やめてあげるんだ。新作書いててお前らのこと忘れてたなんて言ってないから」 

 凛の一撃は一人の人物にダイレクトアタックを決め込む。まるで傷口によくもわからん威力の強いシャワーの熱湯をぶっかけるかのように。

「でもさ。今日入学式だよね?? 西屋敷」

「そうだけど……それがどうした??」

「いやさ、ボランティア部に新しい部員がはいるのかな~って」

 確かにそれは気になる。別に女の人がいいとか、かわいい子来ないかな~とかそういうことではないのだ。席替えと一緒でなんだかワクワクする……といった程度なのだ。本当に。いやマジで。だが……

「いや来ないだろ。どう考えても……」

「そうなの?? そっちの学校のボランティア部ってやつはそんなに人気がないの??」

 紫は純粋な疑問を持って西屋敷に聞く。だがそういうわけではない。

「冷静に考えろ?? 紫。他にもテニス部とか、バスケ部とか、美術部とかある中でどうやったらボランティア部を選ぶ発想になる?? さらに言えばそこからやる気があるやつなんていくらいると思う?? さあ考えろ……答えは簡単。“いない”だ」「そ、そういうことかぁ……。いろいろと徹も大変だね……」

 そうだ。大変なのだ。そのうえに馬鹿に勉強を教えているのだから疲労感ははんぱではない。

「でもすごいよね。まさかそこの二人が付き合っちゃうなんて思わなかったなあ……」

「そう??? 私は二人、付き合うと思ったあ」

 真逆の考えを持っていた戦友。戦国だったら戦もんだな。

「そう……かしら?? でも私たちは仲良しよね?? 春馬??」

「ぐうう ぐうう」

「聞いてない!???」

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