120試合目 さくら……。

「最高よね……春馬君とのキャンパス……」

 さくらはいつも通り春馬との生活を妄想していた。

 さくらは春馬と付き合うことになってかラストーカーまがいのことをすることがなくなった。定期的に補充できるようになったからだ。

 しかしさくらは燃費が悪くすぐに補充がなくなる。それでも彼女は倫理観を覚えたため、こうして一人で妄想に浸っているのだ。

「私はすぐに合格はできるわ……。あとは春馬くんが合格さえしてくれれば、私が勉強を教えてあげて……ふふ……最高ね。あ!!! 今からでも勉強を教えてあげたいわ!!! 連絡しましょ!!」

 そうしてさくらは春馬に電話をかける。

「もしもしさくら?? どうかした」

「あ!! 実は春馬と一緒に問題を……」

「だからちげえって、おい春馬……お前いくのが早すぎだろ……!!」

「西屋敷だって……!!」

「誰のせいだと思ってるんだ……!!!」

 電話から会話が聞こえてくる……。

「えっと……。春馬……、今西屋敷といるの??」

「そうだよ……!!」

「二人で何してるの???」

「勉強!!!」

「勉強(意味深)!????」

 さくらの妄想力はここで発揮されるのだった……。

「えっとごめんね?? もう切るね??」

「え?? あ!! はる……ま……」

 画面を見るとすでに通話は切れていた。

「とおおおおおおおおおおおおおおおおるうううううううううううううううう!!!!!!!」





「あのさ?? 春馬。なんかさくらに言った??」

「いや? 勉強としか言ってないよ??」

「そうか……」

(じゃあなんでこんなにスタンプが爆速で送られてくるんだ??)

 西屋敷は自分の命が危ないかもしれないと思いつつ、とりあえず携帯をそっと床に置いて現実を忘れた。

「それよりお前は本当に頭がいくのが早いな、春馬」

「そんなこといってもさあ……。西屋敷だってそうじゃん」

「さっきも言ったけど、お前のせいだろうが!!!」

「だって……。難しいんだもん」

 春馬は下唇を上唇で触りながらかすかな声で西屋敷に反論する。

「こりゃあ結構かかりそうだなあ……。まあがんばろうぜ」

「うん!!!!」

 (返事だけは元気だな……)

この日は一日中勉強をした。


一方相川家は、

「あ~~。とうとうしてはいけないことをしてしまったのかしら?? 西屋敷徹くん……。どうやって殺そうかしら」

 それをたまたま聞いてしまった西田は……

「私は何も聞いていない。そう!!! 聞いていないのだ……。ふふふ……。今日はネトフリでも見て寝ますかね……。」

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