126試合目 カップル。

 ついにその日がやってきた……。

(ドドドどうしましょう……。すっごく緊張するわ)

駅前での待ち合わせということで、さくらは駅のホームのベンチに腰掛けてバッグとにらめっこをしていた。

「お~~い!! さくら~~~!!」

(この少し高めで、私の心の悪をすべては楽化のような透き通った声は……!!)

「春馬くん!!!」 

「ごめんね?? 少し遅れた??」

 水色のセーターベストに白シャツ、そして紺色のパンツを履いた春馬がさくらに聞く。

「す、すごく……素敵だわ……」

「ありがとう!! さくらもすごくカワイイよ??」

(ぐふぅ!!! なんてカウンターかしら!! もしかして春馬君なら室伏広〇すらも倒せてしまうのではないかしら……!!!)

※倒せません。人類の内はあきらめましょう。

「あ、ありがとう……。今日は楽しみね……」

 遊園地は最寄りの駅からも見えるほど近くに建てられている。

 名物のジェットコースターがなんと日本一の高さらしい。

「春馬はジェットコースターは得意なの??」

「う~~ん? 苦手ではないし、好きだけど……得意かどうかはわからないなぁ」

 春馬はインタビューされたタレントかの如く真面目に答える。

「さくらはどうなの??」

「私は乗ったことないから不安ね」

 さくらはお嬢様故に、大切に扱われてきた。そのためかジェットコースターなど危険な物は乗ったことがないのだ。

「そうなんだ! 乗ったことないんだ。じゃあ僕とが初めてだね!」

(ズキューン!!! 最高ね……春馬君……。こんなに純粋なのに少し春馬君から色気を感じてしまったわ)

「春馬くんと一緒なら楽しみだわ」

(今のセリフ!! 彼女っぽい!!! 最高!! 最高!!!)


こんな話をしているうちに遊園地へと到着した二人はまず最初にいろいろなところに周り、さくらはアトラクションを、春馬は初めてを楽しむさくらを見て楽しんだ。

「あれね!! メリーゴーランドが一番楽しかったわ!!!」

「ふふふ! そっか?? でも次は最大のアトラクション、ジェットコースターだよ??」

 春馬が指をさした方向には名物のジェットコースターがあった。

「近くで見ると結構高いのね……。落ちないかしら……」

「大丈夫だよ?? 落ちない落ちない。もしそうなりそうな時があれば俺が助けるからね」

「春馬君……」


一方、それを見ていた他の客は……

「「「リア充爆発しろ」」」


「結構並ぶのね? ジェットコースターって」

「人気のアトラクションだからね~」 

 しかしその時間もあっという間に過ぎるほどに春馬の時間のつなぎはうまかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る