112試合目 うそやろおい
ぴろん。
紫の携帯の通知が鳴った。
「春馬君からだ。なんだろう???」
春馬が送った写真にはみんなでご飯を食べている様子が映っていた。
「わあ! いいなあ……。でもここどこなんだろう? 帰ったら徹君にきいてみよ」
紫は返信をしつつ携帯をしまうとご飯を食べ始めた。
「西屋敷! 西屋敷!」
「なんだ?」
「沖縄って本当に時間の流れがゆっくりなんだな!!!」
「そうだな。一時間遅刻とか全然するらしいし、みんなマイペースなんだろうな」
「すげえええ!! 俺も遅刻する!!!」
「おーおーそのまま欠席扱いにチェックされろ~」
春馬の沖縄への感動の仕方の独特さに呆れつつ、適当に返す。
「その時は私も一緒に遅刻する~」
春馬のことになるとバカになるさくらは放置の方向でいきたいと思います。
そして残りの自由時間はゆっくりと国際通りを回った。
「自由時間は明日もあるんだよな??」
「そだよー!」
鈴は軽快に返事をする。
「じゃあ明日はどこ行くよ?? 何かいいところ知らないか? さくら」
「そうね……。沖縄美ら海水族館なんてどうかしら」
「水族館か。悪くないな……そのあとはどうするか」
「だったら私、アメリカンビレッジに行きたい!!!」
「なんだそこ」
説明しよう。アメリカンビレッジとは!!!
米軍の基地跡を利用したことからその名がついた、多くの店が並んだ沖縄に来たら必ずといっていいほど来るべき観光名所だ!!!
「なるほど……。面白そうだな! いこう」
「やったー!!!」
無邪気に喜ぶ彼女は少しだけかわいく見えた。
「だけど今日はもうホテル行くぞ」
自由時間ももうおわり。俺たちは全体集合の場所であるホテルに向かうことにした。
ホテルに到着すると俺たちは自分の部屋のカギをもらった。
「春馬と俺が同じ部屋か」
「やったぜ!」
まあこいつの面倒見れるのは俺だけ……だが女子がざわざわしている……。
「公認カップルが一晩ともにするって!!!」「はるまくん……!!!」「私はニシ×はるね!!!」
なにいってんだてめえら。
「あ~!! 早く行くぞ!!」
「あいあいキャプテン!!」
俺はさっさと部屋に行きたかった。なぜならさくらの視線が完全に俺をヤル眼をしていたからだ。
部屋に到着した俺たちはドアを開けると、そこには二つのベッドと最低限のアメニティがそろった普通の部屋があった。
「おお!!! すごいな!!!!」
「すごおおい!」
しかし普通の部屋など学生の俺たちにはわからない。修学旅行というブランドのせいかすごくきらめいて見えた。
「枕投げしようぜ!! 西屋敷」
「はえぇよ」
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