111試合目 偶然それは必然。
「ああ、徹君に会いたいな~」
あんなに攻めると決めたのにそのチャンスがないなんて残念……。
しかも僕は修学旅行で沖縄に! はあ……。ダメだダメだ!! 徹君に沖縄のお土産買ってあげよ!
紫は現在沖縄に徹たちがいることを知らないので、沖縄のお土産を買おうとしていた。鬼畜の所業だ。
一方徹たちは、沖縄を満喫しており、まさか紫も同じ県にいることは知らなかった。
「写真の数枚でも撮っておくか」
俺は自分のカバンからカメラをおもむろに取り出した。
「とって撮って~!!!」
俺は風景を取るつもりだったが、春馬が画角に入り込んできた。
「まあいいか」
春馬が楽しそうなのでこっちをとるのもいいかと思ったので許可。
俺は親指でスマホのシャッターボタンを押した。
カシャという音と共にスマホフォルダに今撮った写真が保存された。
これは後で柚希と紫にでも送ってやろう。
「でもお昼ご飯どうする??」
「だったら沖縄そばのいい店知ってるからいこ!!!」
なぜそう食だけなら優等生レベルの知識なんだ、鈴。
「うちなーすばやっぱかまんだれーうちなーんかいちゃるちむえーねーんやし」
「なんて??」
「沖縄語昨日勉強してきたんだよね~!」
なんでこいつ沖縄語こんな習得早いんだよ。その要領で勉強も頑張れよ。
「でもそれ俺たちわかんないからやめてくれ」
「私はわかるわよ」
なんでわかるんですかさくらさん。これ頭いいとかそのレベルじゃないでしょ。
「沖縄そばをやっぱ食べな沖縄に来た意味にゃーがね。って意味よ」
へえ。なんで名古屋弁で説明するんですかね?? ここ普通にしゃべれないの???
「みんなすごいなぁ! わしわからへんねや!!! ぱんだはうまい」
まあ春馬はいつも通り頭がおかしいから無視の方向で。
「とりあえず沖縄そば食べるってことでいいね」
「あいさー!!」
「いらっしゃいませ!」
店の中は木製ということもあってかなんか落ち着くな。
「ご注文はなにになさりますか??」
あれ?? 意外となまってないんだな。愛知とかと一緒か。
「全員沖縄そばで」
「わかりました ではご注文繰り返させていただきます」
やっぱふつうだわ。
「沖縄そば沖縄そば沖縄そば沖縄そば」
やっぱ普通じゃねえわ。繰り返すってまじで繰り返してるわ。
店員はいかれてたけど、沖縄そばはうまいな。
そばっていうから細くて鼠色のを想像するけど、どっちかっていうとラーメンに近いな。うまい!!!!
「うまいな」
「そうだね!!! これは紫君に写真送らなきゃ!!!」
春馬がそういったとき、一瞬悪魔みたいな表情にさくらがなったことを見ないことにした。
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