102試合目 喧嘩、とっめまーす!!

 俺はこのままでいけないと考えていた。

 大橋さんの誤解をどうにかして解かないと!! 

「徹くん」

 肩をトントンと叩いてくる。

「どうしたんだ? 紫??」

「多分だけど、今回も助けよう……ってしてるよね??」

「そうだな……」

「だよね。わかってた。徹君はそういう人だから」

「まずいかな?」

「いいと思う! 僕はそういう徹君がすきなんだから」

 満面の笑みで少し頬を赤らめていた。 非常にかわいい。

「ッ!! あ、ありがとう……」

 最近、紫の攻めがどんどん強くなっている気がする。

 あの時言ってたことは本当だったんだな。

 俺の照れる姿を見たからだろうか。紫は自分の言ったことを振り返ったのだろう。顔を手で隠しながら恥ずかしがっていた。

 「絶対仲直りしてみせる!!」


とはいったものの、どうやって誤解を解くかだな。

 俺がいきなり話したところで、クラスの変な男が変なこと言ってる……。ぐらいにしか大橋は考えないだろう。

「つまりは、説得力か……」

 これは正しい情報だ。という説得力が必要だな。

「何か悩んでいるのかしら?」

 俺に話しかけるのは見慣れた幼馴染だった。

「凛……! 仕事は??」 

「仕事は今休憩中よ。ケバブ一つくれるかしら?」

 周りの男子たちは俺と凛が話しているのを見て、ざわざわしていた。

「わかった。一つ400円になります」

「これでちょうどかしら。」

 俺は400円を受けとると仲間にケバブを作るように指示した。

「それで?? 何に悩んでるのかしら?」

「やっぱ、幼馴染にはかなわないな……。実は……」 

 俺はまた凛に相談をした。なぜだろうか、凛相手だとすぐに吐き出そうという気になる。

「そういうことね……。つまりは説得力が欲しいと??」

「そういうことだ」

「なら正面から言うことね」

「どういうことだ??」

「つまりはね? 変に言い訳のような言い方をするから駄目なのよ。相手が知りたいのは私のことが一番好きかどうか。女なんてそんなことしか考えてないわ」

「そ、そうなのか」 

 ぶっちゃけこいつが普通じゃないからわからん……。

「そ、そんな蔑んだ目で見ないで!! 濡れる……」

 ほらな?? ただの変態だ。

「ま、まあそんなことは置いといて、結局は誠意を見せて、愛してると言い続けることね。それが必要よ」

「なるほどな! マイナスではなく、プラスを主張する……。単純なことだった。

ありがとな! 凛」

「い、いいのよ? 私を罵っても……?」

「いやしねえよ」

「焦らしね?? 最高!!」

 ここが治れば素敵な女性なんだけどな……

 しかし解決方法はわかった!! 早速近藤に報告だ!



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る