83試合目 地獄からの脱出を試みる
ここは……どこだ……。真っ暗で何も見えない。何がどうなっているんだ。
そうだ俺は地獄に来て悪魔に誘われて……。
意識が混乱していてどこかわからない俺の横でガチャリというおそらくドアの音であろうものが鳴った。するとその数秒後にパッと視界が明るくなりそこには
“全身を拘束された女が横たわっていた”
おそらく普通のひとならここで発狂するところだが、俺はあいにく変態耐性だけは人より優れている。他は普通だって? ぶっ殺すぞ。
とりあえず俺はどうしてこうなったのか一生懸命、脳内で考えることにした。
1時間前——
俺たちはなんやかんやで凛の部屋でたわいもない話をすることにした。
「拷問はしない!!」
「拷問をして!!」
今思えばこれがたわいもない話なのかどうかは怪しいところではある。
しかしそのあとが問題だった
「まあこの話はあとに置いといて、喉乾かない??」
「置いとくなよ!! まあ乾いたけど……。誰かさんのせいで」
「よかったらお茶を用意するから待ってて!」
何だ? 珍しく気が利くな……。これが成長というものなのか??
その時俺は奴に感心していた。
「ほら用意できたわ。どうぞ」
「ありがとう。いただきます」
そうして俺はそのお茶に口を付けた。
あれ?? 意識が……。眠くなってき……た。
「ここだァァァァァァ!!! 貴様!! 睡眠薬を盛りやがったな!! この犯罪者!!! ケダモノ!! 変態!!」
「いひはひほほひはへるほほうふんふふ!(訳:いきなり罵られると興奮する!)」
やばい……。ということはこの拘束も自分自身でやったということか……。変態すぎる!! いや知ってたけど!!
「じゃあ俺帰るわ」
こいつは動けないので今の家に帰ろうとしたその時だった。
何だ……。右手の感覚が鈍い……。ッハ!!!! 鈍いのではない!! 動かん!!!
自分の右手を見るとなぜか手錠が椅子と俺の手を繋いでいた。
「ハイお前殺します」
「はあはあはあはあ……」
これが生徒会長だと考えると頭が痛くなる。
「手錠のカギを渡せ」
「ほほわう(断る)」
「じゃあこれ親が帰ってきたら俺が変態プレイさせてるみたいじゃねえか!」
そうなのだ。こいつを放置しておくのはいい。こいつの母親にこの状況をみられるのが一番まずい!!!
「はあ……。そうか。せっかくお前のこと見直してきたのにな……」
「は!!!」
「はああ……。残念だな……。お前がそんな奴だとは思わなかったよ」
そんな掛け合いをしている時だった。
再び家のドアが開くと
「ただいまぁ……え??」
そこには困惑した女性の姿があった。
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