79試合目 天使
今日起きた出来事を紫に電話で伝えた。最近会うことが少ないせいか、紫とたまに電話をするのが自然になってきた。
「っていうことがあったわけよ」
『なるほどね~。また新しい女が……、じゃなくて凛さんって人が鈴さんをの点数で勝負か~。じゃあさ、もし僕も80点以上取ったらお願い一つ聞いてくれる??」
「紫の学校もテスト近いのか??」
「そうだよ! で、どうする??」
凛は変態だから怖いけど、紫は別に大丈夫だしなあ……。
「おう! いいぜ! ただもし80点未満だったら俺の言うこと一つ聞けよ~」
「わかった! ふふ」
紫はまるで女の子のように可憐に笑った。
まじで紫を見た後だとクラスの女子がかすんで見えるからなあ……ッとこれは失礼だから俺の胸の中にしまっておこう……。
その後なんやかんや一時間くらい話した俺たちは電話を切った後すぐに就寝した。
次の日、凛と鈴の様子をちらっと見ると、凛に何かを言われやる気になる鈴の姿があった。
(おお、頑張ってるな……。俺の勉強するか)
俺は自然にその姿に触発されたのだった。
そんな感じで一週間が過ぎ、テスト本番がやってきた。
一限目は生物。
問題自体は難しくない。一般生徒なら80は固いといえるテスト……。
さすが、理科の山之内 律子先生だ。学年から天使と呼ばれることはある。
二限目は数学
めっちゃ難しい。こんなの大学入試レベルだろおい!!!
くっそお、地雷配置係の異名を持つ黒 寛治先生……。恐るべきトラップの数々、初めてこの人のテストを受けるものなら死んでいたな……。
三限目は古典
ふむふむ。意外と俺は古典が好きなのだ。これは余裕。
地雷配置係の後ならばすべての問題が簡単に感じる……。
残念だったなあ!! 鵜飼 燕先生!!!
こんな感じで何日もかけテストは行われた。
初日の数学以外は特に苦戦することはなく最終日の最後を迎えた。
最後は現代文……!! 我が部活の顧問、|片浦 洸先生だ!!!!
これを知ったのは最近だし、いままでもう一人の先生が作っていたため、片浦先生の問題を見るのは初見といっても過言ではない!!!!
一体どんな問題が……
Q1 この外国に行った猛はどんな感情で向かったか、また猛は不倫相手がいると先生は思います。なので不倫相手の名前を答えなさい。
わかるかあああああああああああ!!!!!!!!
おっと危ない……。勢いあまって俺はテストの用紙を破りそうになるのを必死にこらえた。
不倫相手!?? そんなの文になかっただろうが!!!!
このテスト……捨てだな。
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