80試合目 終了
こうして俺たちのテストは終了した。
数日後、テストが帰ってきた俺たちはボランティア部の教室に集まり、互いの点数を発表することになった。
「今回は10科目、つまり1000点がMaxだ。まずはさくら」
「まあ、当然だけどね?1000点よ。ね~春馬く~ん! 」
さすがすぎる……。勉強だけは一流だな。
「次は凛」
「まあ私も今回は余裕でした。1000点です」
まあだろうな。
「次は俺だが、753点だな……」
「「「普通」」」
「うるせえ! 次、柚希」
「私も今回はそんなです。930です……」
『そんな』ってなんだっけ??
「次、春馬」
「俺はねえ~520点!!」
「おお! 春馬にしては上出来じゃないか!! すごいぞ!!」
「そ、そう?? じゃあ今日はパーティだ!!!」
こいつのパーティは肉じゃがだからなぁ……。まあいいか。
「そして最後は鈴だ」
ぶっちゃけ今までのは前座みたいなものだ……。ここにすべてがかかってる。
それを考えた俺はゴクリと唾を飲み込みながら、鈴の方を凝視した。
「私の点数は……」
点数は……???
「800点です!!!」
「な、なにィィィィ!!! そんな!? バカな!!」
「だから言ったでしょ? とおく……徹さん。私は難しくないって言ったはずよ。私の任務は遂行ね。約束は守ってもらうわ」
満面の笑みでこっちの方を見た。もしこいつにしっぽがあったなら、多分空を飛べるぐらいぶん回していることだろう……。
「ぐ……。わかったよ! 何をお願いするんだよ」
「ふふふ……それはね。私の家で二人っきりで一日遊ぶ。これよ」
「な、なんだ……と???」
あの変態の家で二人っきり……?? 拷問でも受けるのか? じゃない。拷問を俺がする側なのか……?? どちらにせよ地獄!!!
「さよなら柚希。父さんと達者でな」
「兄さん!??」
こうして今回のテスト対決は鈴&凛ペアの勝利で終わった。
ちなみに……。
『徹君!!』
「どうしたんだ?? 紫」
『僕、900点だった!!』
「お前もか!?? お願いごとは何にするんだ?」
すごいなみんな。頭いいんだな。
『それはね~。僕と二人で一日おでかけしよ!』
「そんなのでいいのか??」
『それがいいの!』
ぶっちゃけ紫は男だがカワイイ。俺にとってもメリットだ。
「ありがとう。じゃあ一緒に行こう……エデンへ!!!」
「え、えで??? とりあえずやった!! 約束だよ!」
マジで天使だなおい。今度会ったら抱きしめたろ。
こうしてとりあえず最初は地獄に向かい、その次の日はエデンへ向かうことになったのだった。
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