78試合目 勉強会

 勉強会をするために俺たちは図書室に集まることになった。

「あ~勉強か~。でもやらないとなあ~」 

 春馬は一人で何やら葛藤している様子だった。

 前にも一度勉強会は開いたことはあったがその時も春馬はギリギリでこなしていた。そこから考えると今回も長丁場になることは確定だ。

「春馬君は大丈夫。私が教えます!」

 さくらもまるで我が子を育てるかの如く気合を入れていた。

 今回は生徒会長もいることだし安心だな

「柚希は学年は違うけどわからないことがあったら誰でもいいから聞きなよ」

「わかりました兄さん。前回のような恥はもう二度と見せることはありません。

 恥て……。誰もそんなこと思ってないぞ?? こいつは自分に厳しすぎるのが難点だな。

「ところで鈴はどうなんだ。って聞くまでもないか」

「ひどくない!?? あの後一生懸命勉強したんだからね!!!」

「お! じゃあ一回模擬テストみたいなのやるか!!」

「ばっちこいよ!!」

 ということで全員で模擬テストを行うことにした。


30分後

「よし! 採点まで終わったか?? じゃあ一人ずつ見せよう。まずはさくら」

「私なら当然よ。100点」

 さすが学年一位だ。これはもう勉強は必要なさそうだな。

「次、凛」

「私も完璧です。100点」

 何だろう……。今だけまともに見える。

「俺は88点だ。次、春馬」

「俺は55点!!」

 あれ??意外と悪くないな! 吸収だけは早いんだから普段から授業中にパネトーネなんか作ってないで授業をしっかり聞けばいいのに……。

「じゃあ次柚希」

「私は99点です! あと一点で兄さんと結婚できたのに!」

「なんだその約束!??」 

 危ない危ない……。もうすぐ父さんが倒れるところだった。

「さて最後は鈴!」

「わ、私は……」

 鈴がもったいぶりながらプリントを見せるとそこには19と書かれていた。

「これってあれだよな?? 逆さまで61とかじゃないのか?」

「いや……19点……」

「よし! 撤収!!!」

「いやああ!! 待って待って!!」

 俺の袖を思いっきり鈴が引っ張った。すんげえ力強い!!!

「イタイイタイ!!!! だってこれはもう無理だろ!!!」

「私だってがんばればできるんだから!!」

「さっき一生懸命勉強したって言ってたじゃねえか!!」

「うう……」

 そういうと鈴は黙り込んだ。そこに

「なら私が教えましょうか??」

 凛がそういった

「凛さん……」

「難しくないわ。でももし鈴さんが10教科合計点数800点以上を取れたら一つお願いを聞いてください」

 いや800点以上なんて不可能だろ……。

「ほほう……。すごい自信だな! その勝負、乗った。でも逆にもし俺が勝ったら、二度と俺にセクハラするな」

「え!???? 重くないですか!!! 鞭も!? 三角馬も!?」

 そんなこともとからやってない。


こうして勝負が始まった。勝つのはどっちだ!!!


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