77試合目 懇願

 次の日、あいさつ運動に参加した俺たちは何とか恥じらいを捨て頑張った。

「はあ~。毎日こんなの生徒会はやってるのか……。割と疲れた」

 声を出しおこなうあいさつ運動は意外と体力を使うことを知らなかった俺たちはかなり疲れていた。一人を除いて。

「なあなあ! 西屋敷!! 最高に面白かったな!!! またやろう!!!!」

「うるさい春馬。お前一応モテるんだから、女子のキャーキャーがうるさくて余計に疲れたわ……」

「お疲れ様」

 俺がぐったりしていると会長である凛が俺の教室までやってきて冷たいお茶の入ったペットボトルを俺の頬に当てた。

「冷たっ! 何だ凛か。ありがとう」

 クラスに会長がきたことでクラスはざわざわとしていた。

「なんで西屋敷に会長が??」 「あいつの彼女とか??」 「それはない。だってあいつ男が好きだしな」

 おい最後のは聞き捨てならんぞ?

(みて……? すごい視線……。私、ぞくぞくしてきたわ…… この場で私のお尻をいたぶってみてくれないかしら??)

 変態が耳打ちでセクハラをするので放置した。

「ところで春馬。もうすぐテストが近づいてきたが、大丈夫そうか???」

「テスト?? 何それうまそう」

 あ、終わったわ。

「じゃあな。お前は進級できんな」

「なんかわからんが見捨てないでくれ!!」

 春馬はさすがに俺の態度で焦りを感じた。

「大丈夫よ。私が面倒を見るわ」

 そういうとさくらが席を立ちこっちに来た。

 待てよ。俺の席の周りに学園一の美女(ストーカー)、生徒会長(変態)、学校一のモテ男(アホの子)がそろってカオスなんだが。

「ダメだ」

「なんでよ!! 私なら勉強なんてしなくても一生養ってあげるわ!!」

「それじゃ春馬のためにならんだろ?」

「あ、あぁ……。糞バカ西屋敷に正論を言われた……。私、病気かもしれないわ。早退する……」

 さくらは急に体調が悪くなったように足取りが重くなった。

「なんでだよ!!! 失礼すぎんだろ!!!」

 俺は思わず声を上げた

「まあ仕方ない。今日たちと図書館で勉強会のつもりだったが、お前は不参加って伝えとくな」

「徹様、私目が間違っておりました。私も参加させてくださいませ」

 さくらは頭を地につけ土下座をした。

「おい!! 土下座はクラスに白い目で見られるからやめろ!!! わかった! お前も参加だ!!!」

「ありがとうございます。徹様、あぁ神よ……」

 今度はキリシタンになるんじゃない。

「はいはい、都合のいいやつだなあ……」


こうして俺たちは勉強会をスタートした。

 

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