71試合目 一人で考える

 凛を見送り一人で家に帰っている時に俺はふと気が付いた。

(そういえば……。告白されてたな?? 俺)

 あいつがド変態すぎてあまり気づかなかかったがこれは柚希には言わないでおこう……。

 そう考えながら家の扉を開け帰宅した。

「ただいま」

「おかえりなさい兄さん。告白されたんですか??」

 ばれました。

「な、なんでそれを!???」

「だって私、兄さんの心読めるんですよ?? わからないわけないじゃないですか」

 もうこいつ怖い通り越してすごいな!?

「それで?? 兄さんは告白されてなんて返したんですか??」

「断ったよ」

「よっしゃあああああああああああ!!!」

(ふうん。そうなんですね。)

「おい、心の声と逆になってんぞ?」

「おっと。失礼しました……。それで?? なんで断ったんですか?」

「まあ正直なところ、あいつが変態すぎるってのが原因かな」

「え!? あの生徒会長が!??」

 そうか……。柚希にはまだ凛がMってことを話してなかったか。

「まあそうだな……。」

「じゃあ私と会長だとどっちが好きなんですか?」

「そりゃあ柚希だろ!」

「やった!! それは何でですか??」

「だって家族だし」

「あ~あ~。どうせそんなことだろうと思いましたよ……」

 なぜだ。なぜ柚希はそんなに呆れた顔で俺の方を見てくるのだ。

「まあいいです……。とりあえず明日も学校なんですからお風呂入っちゃってください」

「柚希は先、入らなかったのか??」

「それは……兄さんの残りじr……。兄さんの後始末をしなきゃいけないんで!!!」

「その言い方だと俺が殺されるみたいだからやめろ。まあとりあえず先はいるな。ありがとう、柚希」

 徹はそういうと柚希の頭をなで、風呂場に向かっていった……。


「はあ!! 兄さんかっこよすぎ!! LOVE!! 愛してる!!! 『ありがとう、柚希』だなんてイケメン!!! 私の兄さん!!!!」

 一人になった途端、徹の言葉を思い出したりしてはしゃいでいた。これが西屋敷柚希の本性である。本人はばれてないと思っているが……


(浴槽まで聞こえるからやめてほしい……。でもいろいろやってもらってるし、仕方ない……。)

 実は気づいている徹だった。


そしてそんないつもの生活を送っていた徹だったが、次の朝になるとある異変に気付いた。

 

「で?どうして、凛がいるんだよ」

 リビングに向かうとそこにはいつものように座っている春馬と凛の姿があった。

「まあ、春馬はわかる……。春馬はもはや家族みたいなもんだから。でも凛! お前はなんでいるんだ!」

「私も家族になる……」

 今日も騒がしい日常になりそうです……。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る