君も今日から運動部！！！

72試合目 なんでここに！？

「で？？　なんでここに凛がいるんだ」

「それはもちろん徹さんを迎えに来たからです」

　みんなの前ではあのデレデレが嘘かのようにクールビューティを演じている。もはや職人芸だ。

「いや、頼んでない」

「っく！！！　しかし私はあなたの僕です。これくらいさせてください」

「に、兄さん……。そんなことを会長にさせてたんですか……」

「させてない！！」

　くっそ……。朝から変態が自宅に強襲してくるとか何ヶ原の変だよ……。

「しかしなぁ。生徒会も忙しいだろう？？　俺を待たずに早めに学校に行った方がいいんじゃないか？」

「それなら今日はたまたま休みだから。たまたま休みだから」

「なぜ二回も言うんだ」

「それは重要だからよ」

　絶対休みにむりやりしたな……。生徒会の皆様ごめんなさい。いつかこれじゃあ生徒会の一存じゃなくて、会長の独裁になりかねん……。

「っていうかさあ、凛ちゃんが生徒会長って未だに信じられないや～」

　春馬がやっと口を開いた。

「まあそうだな。すごいことだ」

「それほどでもないわ。あとどうでもいいことだけど、みんなをボランティア部に入れといたから」

「いやいやそれほどだって！　ん？？　今なんていった？？」

　俺の聞き間違いかもしれないしな！　あはは……朝だからかな？？

「それほどでもないわ？？」

「いや、そのあと」

「みんなをボランティア部に入れた？？」

「はあああああ！？？？　なんで勝手に！？」

　俺は朝から大声を出してしまった。

「うちの学校は部活に入らなければいけないのは知ってるでしょ？？」

「それは知ってる！　でも俺は一応剣道部だぞ！？」

　すっげえ前の話になるから省くけど一応剣道部です。

「それは私も知ってるわ。でも剣道部の部員人数を言ってみて」

「３人……」

「それだと部としては成り立たない。でも私も鬼じゃないわ。剣道部を名前はそのままで同好会という扱いにすることにしたの。だからあなたたちはその時に新設されたボランティア部に入ってもらうってわけ」

　凛はすらすらと一言も噛まずに説明した。

「でもそれじゃあ十文字先輩はなんていったんだよ！！」

「あの人なら『ん？？　何かわからんが消えないならいいぞ！』っとおっしゃっていたわ」

　十文字先輩ィィィィ！！！！

「ちなみに誰がメンバーなんだ……？」

「相川さん、春馬さん、柚希さん、徹さん、鈴さんの五人ね」

「おいおい、そんな勝手にメンバー決めて、みんなが承諾すると思うのか！？？」

「さくらさんは春馬さんがはいると言ったら即OKをいただきました」

　さくらぁぁぁ！！！！

「鈴さんは徹さんがはいると言ったら承諾をしました」

　鈴ぅぅぅぅ！！！！

「春馬さんと柚希さんはどうされますか？」

「別にいいよ！」　「私も兄さんがいるなら……」

「承諾しました。これで四人。徹さんは？？」

「いや急に言われても……！」

「では校内放送で昔のお医者さんごっこの話を……」

「あ～～！！！！！　めっちゃ入りたい！！　ボランティア部最高！！！」

「残念です……。これで五人そろいましたね。先生は用意してありますので後ほど手続きをよろしくお願いいたします」

　なんで残念なんだよ！