46試合目  イルカショー

「兄さん思うんだが、そういう大食いキャラみたいなのはやめた方がいいぞ?」

「いやでも刺身にしたらおいしそうな見た目の魚多くて…」

 服選ぶみたいな感覚で言われても…

「とりあえずだ。それはやめよう。」

「わかりました…」

 なんでちょっと不服そうなのかはわからないが、水族館で下を向くのはよくないな。

「よおし!楽しんでみてみようか!!!」

「兄さん、張り切ってますね。」

「兄さん、いつか女の子と水族館に行くかもと思って予習をしていたのだ!!」

「私のために…ありがとうございます!!!」

 誰もお前のためとは言ってないけどな????まあいいか…

「最初の方はトンネル型のようになっててまるで海の中にいるような感覚を味わえるのだ!!!」

「兄さん、意外と有名だよ??それ。」

「え??」

「でもいいと思う、兄さんはモテないほうがいい。」

 兄さん三週間くらい引きこもろうかな???

 徹は自分の知識が一歩遅れてることを今気づいた。

「でも兄さん、モテたいし…」

「モテてるじゃん、わたs…」

「まあ確かに鈴にはモテてるか。」

「減点。」

 柚希の目から光が消え一言俺にそういった。

「え???」

「私が今日は彼女だよ!!!他の女の話はやめてよ。」

「あ、ごめん…」

「仕方ないなあ、兄さんは私が面倒見てあげないと一生独り立ちできないんだから。」

 そんなことはないぞ????と俺は言おうと思ったが、冷静に考えれば家事などは柚希にまかせっきりになっていて俺は何もしてないなと気づき言うのをやめた。

「柚希は優しいな~~。そんなことより次はあれ見に行こうぜ。」

 俺が指を指した先にはイルカショーについての看板があった。

「イルカショーですか!!!いいですね!!!」

 柚希は目を宝石のように光らせ俺の手を握りイルカショーがやってる会場まで向かった。


 会場に着いた俺たちは一番前の席に座り、鑑賞することにした。

 そして席について少し経った頃だった。

「どうも~~~皆さんこんにちは~~!!!今日はいるかのトール君と一緒にショーをやっていくよ~~~~!!!頑張ろうね、トール君!!!」

 とドルフィントレーナーのお姉さんが言った。

 しかしあれだな、まさか俺がイルカと同じ名前とは…

「兄さんと名前一緒ですね!」

「そうだな。なんかむずむずする。」

「ふふふ、一緒に見ましょうね?徹君。」

「なんだその呼び方、やめてくれよ。」

 そしてショーは始まった。

 リングをくぐり抜けたり、ボールを飛ばしたりとすごく面白い。

 終盤になり複数のイルカが大ジャンプをした。その瞬間、

 ざぶんと水しぶきがこちらまで飛びそのまま少し濡れてしまった。

「トール君に濡らされました…」

と柚希は言いながら濡れた服をハンカチで拭いていた。

「お前わざとやってるのか???」

「何がですか???」

 何もわかってなさそうな顔をして俺に質問をしてきた。



 これに関しては俺悪くないと思います!!!

 

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