45試合目 デート???
まあ確かにデートと言えば男女で出かけること。ってのを定義にしているものが多い。だが俺は一つ問いたい。
家族はデートに入りますか???
「入りますよ???兄さん!」
「お前はあてにならん。なぜなら感性がぶっ壊れてるからだ。あのな…そろそろブラコン卒業しろよ。」
「兄さんは私のこと嫌いですか??」
「いや、好きだとも。」
「それは世間的に見たらシスコンでは…???」
な、なんだと…!??俺のこの発言が…!!??
言われてみればそうかもしれない。
徹は柚希の急激な正論に頭を悩ませた。
確かにそうだ。妹にかわいいとか好きとかいう家庭を俺は見たことがない…
「いや…しかし…」
「兄さん。」
「なんだ妹よ。」
「それって普通ではないのでは???」
「普通ではない…!!!!?」
普通ではない=特殊=スペシャル=特別…!??
「ならいいか!!!」
「そうですよね!!!ではいきましょう。」
徹は普通という言葉が嫌いなのである。それは自分が普通である故、
「普通ちゃうわ!!!!」
しかしそれは妹である柚希は当然知っている。
つまりその逆を突いたという素晴らしい戦法なのである…
かかったな!!!徹よ!!!そこはすでに柚希の術中なのだ。
「だけど柚希、今日はどこに行くんだ???」
俺は今日何時に家を出るか、ぐらいしか本当に聞いていないのだ。
「それは着いてからのお楽しみです!」
柚希は俺にお日様のような笑顔を向けてくる。
普通の人なら、カワイイ!!とか最高!!!とか言うだろう。しかし俺は違う。
柚希が笑っているときは大抵いいことがないのだ。
「そ、それはタノシミだなー」
地獄とかに連れてかれなければもうどこでもいいかな。
そうしてどこにつながってるかもわからない場所に電車とバスを乗り継ぎ向かった。
「つきました~~!」
時刻は昼を迎えたころだった。
「ここは…????」
「水族館です!!!」
両手で腕を広げパンパカパーンと言いながら後ろの水族館をひらひらした。
「おー!確かに水族館はデートスポットとしては最適だよな。」
「では早く入りましょう!!!」
「なんか…ごめんな?(地獄とかだと思って)」
「ん????」
中に入ると景色は一転した。青を基調としたライトアップがされており、しかしコケや海藻などのおかげでとても幻想的に見えていることにより非常に落ち着く。はっきり言って最高だ。
「あ!あれ見てください!!きれいな魚たちですね!!!」
確かに。体が非常に明るい色の魚が誰にも見られず自由に生きている感じがあってとても美しい…。ここをチョイスした柚希のセンスは最高だな。
「おお!!!きれいだな!!!」
「そうですね!!!本当にきれいな身をしてておいしそうです!!」
「え???」
ごめん。やっぱそんなことないかも。
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