17試合目 逢魔が時

 スイカを毎年夏に西屋敷家は食べていた。しかし徹は今日のスイカが人生で一番おいしいと考えていた。

 「なんだろうな。さくら…今日はありがとう。」

 「私に惚れたの?でもだめよ。春馬様の魅力には遠く及ばないもの。」

黙れマライア。お前に感謝した俺がバカだった。

 なんでしょう。兄さんと相川さんがまたいい感じです!絶対に兄さんはあげないんですから!

 そう考えていた柚希は徹とさくらの間に入った。

 「どうした柚希?遊ばなくていいのか?」

 「兄さんは大馬鹿者です。」

 「なんで!?」

 「本当に西屋敷って馬鹿よね。」

 「なんで!!?????」

 今日はなぜこんなにディスられるのだろうか。

とりあえず徹は柚希の頭を撫でておいた。

 「兄さん!!!そういうところですよ!!!」

と柚希は顔を真っ赤にしていった。もしや反抗期だろうか。兄さん怖い。

 そしてその光景を文字通り指をくわえてガン見する紫…

その光景は髪の色もあってかどこかの怠惰担当みたいだ。

 「ど、どうした????紫???」

 「え!?あ~~~…そろそろご飯食べない???」

 「ごはん!!!ごはん!!!!!食べる!!!!ごはん!!!!」

春馬…お前はゴーレムか。

 確かに午前中にスイカを食べるという胃もびっくりな飯の食い方をしてるからな…

 「よし!!!食べるか!!!」

 「なら私今日弁当を…」

とさくらが弁当を出そうとしたとき

 「カレー食べるぞおおおおお」

その春馬の一言で少し暗い顔をしてそっとその弁当を隠したのを俺は見た。

 このフラグ破壊神が。ここは仕方ない。

 「春馬!!!!!」

 「かれかれかれー?」

言語がカレーに浸食されてるぞ?

 「俺はさくらのおいしいおいしい手料理が食べたい!!!!お前も食いたくないか!!!」

 「かれ・・・たべたい!!!!!」

するとさくらは顔をぱあっと明るくして

 「それならこの手料理の弁当を作ってきたの!食べましょう!!!」

と元気を取り戻した様子で言った。

春馬がちょろくて助かった!ってなんでそこの二人顔真っ白なんだ…???

~~~現在の心境~~~

春馬:弁当!うまそう!!!!!


さくら:よかったあ…三日徹夜してほんとよかったわ!


紫:えぇ!!!ててて手料理が食べたい!???さくらさんと徹君ってどういう関係なの!?????


柚希:ままままさか両想い!??だからさっき一緒にいたの!????

にいいいいいいさああああああああああんんんん


誤解を生んだ張本人:うま。


 「ああああの徹君???」

 「どうした紫。」

 「さささくらさんと徹くんって仲いいの???」

なんだ急に…

 「どうだろうな…まあ普通なんじゃないか???」

 「普通って何!????」

何、柚希!????これもしかして哲学の話!???

 「いつ、どこにでもあるような、ありふれたものであること。他と特に異なる性質を持ってはいないさまのことだよ。」

 「意味じゃなくて!!!!」

そう柚希が徹に詰めようとした時だった。

 「春馬きゅん♡あーん♡」

春馬に詰め寄るさくらの姿があった。

 ((あれ???これもしかして徹君(兄さん)じゃなくて春馬君???))

と誤解が一瞬で溶けたが代わりにさくらは春馬以外のこの場にいる全員にばれた。

 それを知らない徹は急に笑顔になり弁当の肉を食らう二人が実はエルディア人なのではないかと疑い始めた。





 

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