第8話
これで回想はお終い。
長くなってしまった。
結果的に言えば、○○商事は大口の取引先だった。
注文もうるさいけど、その分お金もくれる得意先。
部長が直接担当してた。
神保部長は言う。
「柿崎はハッキリ向こうに言え。出来ないモノは出来ません。出来る事は受けろ。その替わりお金は多く戴きます。そう伝えるんだ。向こうさんが怒っても気にするな」
「その時のためにこいつがいる」
課長を指して言う。
「こいつな、仕事は出来るし頭を下げるのも得意なんだ。だがハッキリNOと言え無い日本人なんだよ」
課長さんは困ったように笑ってた。
部長は誰に引き継ぐか思案中だったらしい。
全てを和泉さんが引き継いだわけじゃない。
さすがに入社一年目の新人には荷が重すぎる。
課長と分担だ。
それでも和泉さんの営業成績はあれよあれよと上がった。
和泉さんは時の人となった。
「アレが柿崎か」
「営業成績、うなぎのぼりの新人」
「鬼柿崎って言われてるらしいな」
「スゴイ気が強いんだと、あの神保部長を怒鳴りつけたって言うぜ」
「出来るヤツは違うな」
「その分本人も頑張ってるらしいからな」
和泉さんは小心者なのだ。
すごい出来る社員。
気が強くて努力家。
そう見られてしまうと、そうなろうとしてしまう。
いやそんな大層な人間じゃありませんけど。
そう思いつつなかなか言い出せない和泉さんだ。
プレッシャーなのである。
そうして鬼の柿崎主任が出来上がってしまったのだ。
「六郎さーん。
わたし鬼とか呼ばれてるみたいなんです。
新人の女子にオニってヒドク無いですか。
わたしオニっぽいですか、六郎さんからどう見えます」
「落ち着いてください。
えーと、鬼っぽくは見えないですよ。
むしろ優しい女の子ですよ」
「ホントですか、ホントにホントですね」
「えええーーと。
あっ、そうだ、和泉さん。
冷蔵庫に桃が冷やしてあるんです。
食べませんか?」
「桃!
食べます、食べます」
珍しがられてるだけでしょう。
そんな誤解すぐ解けますよ。
六郎さんはそう言ってくれたけど。
あれから数年、まだ誤解は解けてないのだ。
ついでに言っておくと。
結局部長は役員になった。
部屋は役員室に移動。
でもいまだに営業部にしょっちゅう顔出しする。
「○○商事な、俺が開発した取引先なんだ。いい加減なヤツに任せたくなかったが、任せられるヤツがいなくてクサッてたんだ。柿崎がいてくれて良かった」
うわー、やめて。
またプレッシャーが増えちゃう。
可愛い先輩OLさんは結婚した。
寿退社。
お相手はなんと課長さんだ。
社内恋愛。
あの課長、やり手だな。
もしかしてOLさんの方がやり手なのかな。
そして和泉さんは今ランチを食べてる。
和泉さん、綱子ちゃん、餅子ちゃん、三人女子ランチ。
「鬼柿崎ねー」
和泉さんは六郎さんの作ってくれたお弁当をパクつく。
筍ご飯だ。
美味しい~~。
炊き込みご飯て温かいのも美味しいけど、冷えたのもまた格別の美味しさ。
和泉さんはニヤケっぱなし。
「そんなこと言ってるヤツにこの顔見せてやりたいよ」
「ホントウですね。
ご飯食べるだけで、人ってこんな幸せな顔が出来るんですね」
綱子ちゃん、餅子ちゃんが言う。
いいじゃない。
美味しいんだから。
それに。
「六郎さんが作ってくれたんだから」
「六郎さんが作ってくれたんだから」
「六郎さんが作ってくれたんだから」
三人でハモる。
和泉さんのいつものセリフなのだ。
見抜かれてる和泉さんである。
どーも。
くろです。
拙作を読んでくれてる方。
ありがとうございます。
ここで一区切り。
第一章完結みたいな。
和泉さんと六郎さんの話。
カクヨムには向かないかなーと思いつつ、投稿してました。
予想より反応が多くてビックリ。
レビュー文章書いてくださったみたらし団子様、ありがとうございます。
すいませんが、ちょっと連続投稿お休みです。
ここまで投稿して読んでくれてる方の反応見るつもりだったのです。
でも現状の反応だけで、もう続き書く事は確定ですね。
構想は有ります。
結婚てなんだっけ編
綱子ちゃんと餅子ちゃんが六郎さんの家に押し掛ける。
「和泉、アンタ結婚の事はどう考えてるの」
「9年間同棲してるなら事実婚と認められる可能性は高いですね。
遺言書、書いて貰えば遺産相続可能ですよ。和泉先輩」
ラブコメ編。
和泉さんの部下の男性社員。その目にハートマークが?
さようなら編
お別れの時が来た。
和泉さんと六郎さん。
なお、あくまでくろの頭の中の妄想ですので投稿された物が全く違う内容でも責任は取りませんのであしからず。みたいな。
ゆっくりと書いていきます。
どうしよう。
次回9月1日投稿にしようかな。
今回8月1日投稿で全8話。
似たカンジで9月、10月 5話~10話位ずつ投稿予定。
そんな予定で考えます。
ご意見、ご感想お待ちしてます。
文句やリクエストなども。
よろしくお願いします。
ではでは。
くろでした。
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