第3話

 ついにこの時が来た...(part2)

ちなみに響子には今まで糸部のことについて一切話さなかった。

色々調べたら人格が形成されるのは、色々と事情があるらしい。

俺は無駄に地雷を踏む男ではない。


今回はイチャイチャシーン抜きで行く。ご了承頼む。


「翔ちゃん、今日布団くっつけて寝よ!」

「う゛ぅ゛ぅ゛ぁ゛ぁ゛!!!!」


刺激が強い。お前パジャマでそれは攻撃力高すぎるぞ。

フラグ回収が早いにもほどがある。

だが俺は糸部との戦闘(一方的)でレベルアップした。

風呂も食事も済ませたし、あとは寝るだけだ。


「いいだろう。じゃあもう寝るぞ」

「了解であります隊長!」

「今日も俺の部屋は狭くて無理だからリビングな」


今回は糸部尋問作戦だ。響子が眠りにつき、糸部に変わる間に体を拘束して話を聞く。

リビングを睡眠場所にしたのは拘束するためのガムテープをすぐに用意できるからだ。結束バンドでもいいが、糸部が抵抗して響子の嫁入り前の体を傷つける結果にはしたくない。

まぁいきなり包丁振り回してきたが名前は教えてくれたし、一応話せるだろう。


「じゃあおやすみ。」


前回と同じように俺たちはテーブルをずらし、布団を敷き、寝る姿勢に入った。



           ~数分後~


布団に入り、色々な話をして盛り上がったが、響子は撃沈した。今は寝息を立てて深い眠りについている。

いつ拘束すればいいのか迷う。まだ起きていたり、ランダムで入れ替わるとしたら響子に見つかって終わりだ。

だが、隙をみせて何かの手違いで状況が逆転することもある。

俺は覚悟を決め、響子の手首、足首をガムテープで巻き付ける。


「ふぅ...これでとりあえず安心だ...」


巻き終わった。喉が渇いたな。とりあえずお茶を飲もう。

俺はそう思い、響子の方を警戒しながらお茶を取りに行こうと立ち上がり、冷蔵庫の方に体を向けた。その時。


「あらら...手足を拘束されちゃったか...」


普段の響子の声よりワントーン低い声で背中に話しかけられた。

間違いない。糸部だ。


「随分と余裕そうだな。お前は体の自由を奪われているんだぞ」


俺は糸部を見ながらそう言う。


「まぁね。お前は私に何もできないもの」


そうだ。俺は響子の体に入った糸部を殴ったりするわけにはいかない。


「んで、なにを質問したいのかな?」


糸部が俺に問う。

正直心を読まれているようで気持ち悪い。

だが、話が逸れて時間経過で響子に戻られるのは厄介なことになる。

余計な話はやめておこう。


「今回、お前に質問したいことは山ほどある。だが時間の都合上何個かに絞って質問する」

「まず一つ目だが、お前は何なんだ?」

「私かい?私は糸部響子であって糸部響子じゃない者さ」


どういうことだ?


「つまり、糸部響子には2つの人格があり、お前、糸部と普段の響子で別れているという解釈でいいか?」

「まぁいいよ。それで」


俺の考察はあっていた。響子はどうやら多重人格だったらしい。

だが、おかしい。


「だがおかしいぞ。俺は過去にも何度も響子とお泊り会をしていて、響子が寝ているところを見てきたが、お前は出てこなかったはずだ」

「そりゃそうだよ。私が生まれたのは去年の話だ」


去年!?そんなに最近なのか...嘘のように思えるが本当じゃないと筋が通らない。


「じゃあ、なんでお前は生まれてきたんだ?去年に何があったって言うんだ?」

「君はこの内容を聞いてかなりのショックを受けると思うよ。私的には聞かない方がいいと思う。」

「親切なんだな。その配慮には感謝するけど俺は聞くよ。そのためにリスクを冒してお前と話しているんだ」


ショックを受ける?去年に何があったって言うんだ...


「わかったよ。

糸部響子は親に虐待を受けているんだ。」

「虐待!?俺は幼馴染だから響子との親とも関わりがある。そんなことをする親には見えないぞ!?」

「少し落ち着きなよ」


糸部はにやけながら言う。


「糸部響子の父親は会社をクビになったんだ。原因は部下のミスを庇ってだね。

君はミスくらいでというかもしれないが、父親の会社は崖っぷちでね。いつ潰れてもおかしくない状況だったんだ。そんな中、会社を支えていた他の会社との大切な会議で彼の部下が少し先方に対して失礼な態度をとってしまったんだよ。そして機嫌を悪くしてしまってね。契約を切られる寸前まで追い込まれたんだ。だが彼は自分の部下の教育が足りなかったといって部下のミスを自分で被ったんだ。そして彼はクビになった。彼はかなり年を取っているから欲しがる会社は少なく、なかなか再就職することができなかったんだ。そして優しかった彼がストレスで酒に浸り、だんだん奥さんや糸部響子に対するあたりが強くなっていったんだ。これが去年に起きたことだ」


「そんな...じゃあ響子の母さんは?!あの人は、響子のことが大好きで...」

「彼女は最初の方は虐待から糸部響子を守っていたよ。だが父親の機嫌が悪くなる

一方、母親にはストレスが溜まる。そして彼女は壊れてしまったんだ」

「壊れた?!なんだよ、壊れたって!」

「精神崩壊したんだよ。そしてすぐに精神病院行き。そうなるとどうなる?」

「響子を守る人がいなくなる...」

「そのとおりさ。それで糸部響子は父親に対する憎しみが溜まり、私ができたってわけだよ」


嘘だろ...長年一緒に居たのに気付いてやれなかった...

すべてが繋がった。響子が料理を毎日してるって言った時の違和感、あれは母親がいるのに毎日料理をしているというところが引っかかったんだ。

つまりあれは父親に作らされていたということか...

そして俺の家に来たがっていたのは父親から逃げるため...


「あ、そうそう。憎しみが溜まって私ができたって言ったでしょ?

つまり、私は彼女の中にたまった憎しみを発散する存在。」

「だからなんだっていうんだ」

「最近このあたりで起こっている殺害事件や傷害事件は私が起こしたものだよ」

「つまり...え?」


糸部が響子の体で殺人事件を起こした。つまり響子は...


「そう!糸部響子は立派な犯罪者で~す!!」


え...?響子が犯罪者?ありえない。普通の高校生だぞ?これから響子は大人になって、社会に出て、幸せになるはずなんだ。なのに犯罪者?殺人ってことは死刑だよな?...おかしい。

頭が真っ白になり、目の前は真っ暗になった。


「あ~あ倒れちゃった。迷走神経反射性失神ってやつか。だから注意したのに。

んじゃまぁ私はそろそろ戻るよ。君がどうするかは私が裏で楽しんで聞いてるから、せいぜい楽しませてね。聞こえてるかわからないけど。」


糸部がにやけながらそう言う。




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コメント;長いし、なんか3話は書いてて一番疲れました。

     やっぱり男女イチャイチャさせてないとなぁ~

     この作品書き終わったら次回はシリアスな展開抜きの

     ガチガチのラブコメ書くかなぁ~

     ちなみに最近Vtuberにハマってます。(誰得)

     レヴィ・エリファちゃんが可愛くて仕方ねぇんだ。











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