【打ち切り】造形師の俺、ゲーム世界で創聖様と崇められる

シェ創造

戦闘型人形を作ろうと思った理由を知りたいか？

答えは単純。冒険したくなったからだ！

だが俺は、とある理由で人形作成を余儀なくされている。

それがこちら。

『武器装備不可』···武器を装備出来なくなる。

絶対少女との会話でこの称号獲得しちゃったよな。

マジ、大口叩いてすみませんでしたっ！

造形師と言ってもやはり男、冒険はしたくなるのだ。

男は女と迷宮（ダンジョン）という響きに弱いのはよく知っている。

そして、公式が載せているスキル一覧のサイトを見ていたときだ。

俺は【遠隔操作】と【コネクト】を見つけてしまった。

ついでに【共有】というスキルも！

【共有】···登録している者と経験値･スキル等を共有できる。

これを見つけたときはかなり興奮したぞ。

俺の職業は人形使いだろ？これを使えば···グヘヘ。

しかし【共有】は強力なスキルのため、やはりデメリットがあった。

それは、初期状態で選択不能なレアスキルということだ。

イベントで貰えるスキル選択チケットで獲得可能らしい。

勘の良い奴なら気づいただろう。

どこかの神が餞別として送ってしたもの。なんだった？

スキル選択チケットなんだよなぁ。ほんと、なにやっちゃってんの。

これは取得するべきだろ！と思い惜しみなくチケットを使う。

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スキル選択チケットの使用を確認

【共有】を取得しました

スキル選択チケットは失われます

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さよならチケット、こんにちは【共有】。

登録と表記されてあったが何人登録可能なんだ？

うん？スキル説明にも表示されてないぞ。

｢もしかしてだけどステータスか？ステータスオープン｣

久しぶりに唱えた気がする。

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名前:ネジュ

種族:人間Lv1

職業:人形使いLv2

HP:100

MP:100

STR:10

VIT:10

AGI:10

DEX:30

INT:10

LUK:30

SP:0

AP:0

■スキル

【水魔法Lv3】

【土魔法Lv3】

【人形作成Lv3】

【自動行動Lv2】

【能力注入Lv2】

【命灯Lv3】

【工房Lv3】

【自爆Lv1】

【共有Lv1】登録者0/10

【生産神Lv-】

■称号

『武器装備不可』

『人形の主』

『人気者』

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【自爆】以外はどれもレベルアップしてるな。

俺の思った通り、登録者はここで確認するらしい。

｢Lv1で10人登録できるのか｣

普通に強くね？流石レアスキルだな。

っと、いつの間にか称号も獲得してるようだ。

『人形の主』···人形を作成した者に与えられる。

効果がないから記念称号みたいなものか。

｢よし、やりたいこと終わったから作成するか｣

その間マスプには泥人形大黒天を量産してもらおうか。

｢マスプ、次はこれを量産してくれ｣

(コクコク)

出来栄えがいいからオノが一人前の商人になったら売り出してもらおう。

｢“工房”“人形作成”｣

これ毎回唱えるのダルいんだよな。別にいいけど。

戦闘用人形だろ？どんな感じにしようか。

銀髪天然パーマの木刀持ったやつにするか？

それとも呪術を使う目隠し先生にするか？

俺が作るからなんでも出来るんだよな。

まあ例にあげたやつは作るつもりないけど。

そうだな、まず性別は女にしよう。

身長は170cmで、服は華服なんてどうだ？

髪と目は、赤紫色にしとくか。

武器は長剣かな？なんかカッコイイし。

様になってきたぞ。額に1本、角を加えたらどうなる？

おお！鬼人族っぽくていいじゃないか！

まだまだアイデアが湧いてくるが、次回に取っておこう。

ファンドも収納可能になったしな。

ちなみにここまでの時間はだいたい3時間ほど。

｢最後に埃を払ってー“命灯”！｣

俺は学習する男だ。なので今回は目を閉じてから唱える。

｢お？お！？おおー！！｣

感動してるような声が聞こえたため、俺は目を開けた。

目の前には角をペタペタと触っている女の子が1人。

｢話せるよな？｣

｢うん！ペラッペラに話せるアル！｣

元気な子だな。こんな子に戦闘させるのは気が引けてきたぞ。

しかし語尾がアルときた。服装に引っ張られたのか？

ま、個性があっていいな。

｢名前とかを決めていこうか｣

｢了解アル！｣

ステータスを開く際にチラリとマスプを見てみる。

あ、さっきほど落ち込んではいないがダメージは受けてるな。

申し訳なく思いながらこの子のステータスを確認する。

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名前:――

種族:人形Lv1

職業:――

HP:120

MP:120

■スキル

【選択可能】

【選択可能】

【選択可能】

【選択可能】

【選択可能】

■称号

『ネジュの人形』

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ほぼ同じ状態だが、HPとMPが多いな。【命灯】の影響だろうか。

【能力注入】していこう。

長剣を持っているため、剣術は必須だな。

あと、強化系の魔法を覚えさせてみよう。

ブーストッ！！とかいいながら倒していくのは憧れるからな。

それと簡単にやられないように回復系を2つ。

最後の1つはどれにしようか。

それから3分ほど迷ったがこれに決定だな。

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名前:シェ

種族:人形（パペット）Lv1

職業:剣士（けんし）Lv1

HP:120

MP:120

■スキル

【剣術（けんじゅつ）Lv1】

【身体強化（しんたいきょうか）Lv1】

【威圧（いあつ）Lv1】

【HP自動回復（じどうかいふく）Lv1】

【MP自動回復（じどうかいふく）Lv1】

■称号

『ネジュの人形』

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名前は中華風の女の子なため謝謝のシェにしてみた。

俺にネーミングセンスがないのは分かってきただろ？

悩んだ末に選択したスキルは【威圧】だ。

【威圧】···自分よりレベルが下の生物に行動阻害。

このレベルは【威圧】のレベルじゃなくて種族レベルに依存らしい。

｢今日からお前はシェだ。よろしくな｣

｢いい名前アルね！よろしくアル！｣

気に入ってくれてよかった。

鼻ほじりながら｢何アルかそのダサい名前は｣とか言われたら泣いてたぞ。

では【共有】を使ってみるか。

登録するには手を握ってスキル名を言えば完了らしい。

｢シェ、手を出してくれ｣

｢ん？分かったアル｣

俺はシェと握手し、【共有】と唱えた。

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個体名シェの登録完了しました

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お、成功だな。ステータスにも1/10と表示されてあるし。

ありがとうと感謝を述べてからシェに命令する。

｢これからシェは戦闘をしてきてくれ。1日経ったら戻ってこいよ｣

｢了解アル！｣

｢マスプは···インベントリがいっぱいだから待機だな｣

なんかマスプの扱いが雑になってきてる気がする。

待機と言われ、マスプは驚きを隠せていない。本当にごめん。

｢俺はログアウトするから頑張ってな。ごめんな｣

2人の頭を撫でたあと、俺はログアウトボタンを押した。