目覚め

 たとえば、ちょうど退屈な時に友人からの誘いが入るような。たとえば、暇だった時間が誰かの乱入ではちゃめちゃになるような。

 そんなふうに、何かが暇な時間を埋めてくれるだろうと、期待していたのは否めない。まあ実際は何もなかったから、こうやってつまらない時間を過ごしているのだが。

 手癖で取り出していたタバコに、手癖で火をつける。いつのまにか自分は喫煙所に来ていて、いつのまにか口内にタバコの味が充満している。

 なんという体たらく。見違えたように堕落した生活。本当に昨日までのきっちりとした人物かと、自分自身でも疑わしく思う。しかし、こうも私が腑抜けた原因は明確だった。単に、目的を失ったからだ。

「まさか本当に終わっちゃうとはなぁ」

 なんて一人ぼやいても何もない。行動指針を失った私は、北を忘れた方位磁針のように、あてもなく彷徨い続けるだけだ。

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寝起きの枕 蜜柑 @babubeby

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