第32話 6 喫煙所



 彩香の寝相の悪さでベッドから蹴り出されたぺペンギンは、今、彩香の部屋の小さなベランダに出て煙草を燻らせている。


「然しなぁ、このベランダ無かったら危うく禁煙させられるとこやったなぁ」


 などと、独り言をつぶやいている。


「然しなぁ、さっきの話、気になるなぁ。両親に確かめたいけど、姿、見せる訳にもいかへんしな。てか、もう見せてんねんけどな。宇宙超心理学かぁ。この分野かぁ。せやな、その道の権威いうたら、モリコーネ名誉教授やな、いっぺん相談したほうがええかも知らんな」


 ぺペンギンは軽く煙を吐くつもりだったが、急に咳き込んだ。


「って言うか、シェルター無いし! どうやって連絡すんねん! ワイ、ボッチやん」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る