番外編「the reality of happiness」



 時々、夢を見る。


 不思議な夢だ、その世界の俺は長い間旅に出ていて、久々に故郷に帰ってくるんだ。


 すると、大切な人が一人いなくなってる、旅に出てる間にぽっくり死んじまうって夢を見る。


 んで、いっぱい落ち込んだ後にちょっと外へ出るんだ。



 するとそこには、その人がいるんだよ、でもそれは幻覚で、でもみんなその人が見えるんだ。


 その時に、みんなで「ああ、この人は死んでしまったんだ、いい人だったのにな」って実感するんだ。




 そしたら、そこで目が覚める。


 夢から目覚めて気付くんだ、俺は旅になんか出ちゃいないし、その人はまだ生きてるとか、そんな人はそもそも存在しないとか。



 でも安心はしない、するのはもう少し後の話。


 それは、きっと"その人を大事にしろ"っていう暗示か何かなんだと思う。



 この前の夢は、死んでいた奴が、和束だった。


 落ち込みもした、幻覚が見えもした。


 でも起きた後に気付く、アイツは夢から覚めてもとっくにいないと。



 一秒ぐらい、期待した。


 あいつが生きてるんじゃないかと、でも死んでたんだ、とっくの前に。




 突然、名前を呼ばれたような気がした。


「ロボハン」




 

 時折、その優しい声を思い出す———。
















 





 夜明け前、ロボハンがナレイと相対した数分前の出来事。

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