第12話 脳内に緊急事態発生しました
俺と
みなさんどんだけ俺と可愛い子が歩くのが珍しいのですか?
それともクラスの奴が言っていた通り俺が可愛い子を脅しているように見えるのか?
まあ、どう見られても問題ないよな。
すでに俺は
そんな思考をしながら俺は
そして曲がり角まで来た所で
俺に向けられた
そんな俺は先に口を開いた。
「それで話って何かな?」
俺は気づいているにも関わらずそんな言葉を発した。
俺は彼女を助けた時に言われたんだ。
『お礼をする』と。
何かな何かな~楽しみだな~俺は心をウキウキしながら彼女の言葉を待った。
「さっ最初に昨日は助けてくれて本当にありがとうございます」
頭が垂れると同時に髪の長いポニーテールがバサっと落ちる。
俺はこの
まあ当然、心の中でのあだ名だ。
「いや~そんなにお礼を言われると少し照れちゃうな」
俺は頭を少しかきながら答える。
「そっそれでお礼なんですが…よっ良かったら私と食事行きませんか」
いっ今なんて言った!
俺にどんな言葉を掛けたんだ!
もう一回だ!もう一回言ってくれ!
そうだこうゆう時の決まり文句を言おう、そうすればリピートが聞けるはずだ。
「えっ!今なんて言いました?ごめん、ちょっと聞き逃しちゃった」
うっうまいぞ俺。
そして言葉はリピートされる。
「お礼に私と食事行きませんか?」
神様ありがとう。
とうとう俺にも
そう今の季節は…春から夏に変わりゆく季節ですけど、少し遅めの春がきました。
これは
俺このシチュエーションのラブコメやドラマめちゃくちゃ見たり読みました。
でも浮かれてばかりではいけない。
美味しい話には裏がある…いや、そうではない。
俺、
見た目が違い過ぎるんじゃないのか?
俺は自分の容姿を過剰評価はしない。
頑張って評価した所が普通だ。
だからこそ俺は彼女に聞かなければいけないよな。
そう、傷つくなら早い方がいいからだ。
そして俺は声を発する。
「俺…見た目良くないですよ。
俺、情けない…でも言うしかないんだ!
後で『あ~もぉ~さいあく~誘うんじゃなかったぁ~』って思われたくないじゃん。
こうゆう事は先に聞いておくべきだと俺は思う。
でも、ポニー
両手で赤みの掛かった
何がどうなった?と疑問に思った所で彼女が口を開いた。
「かっ可愛いなんて、口が上手いんですね
なるほど『可愛い』と言う言葉はここまで女子の心を掴むのか。
「あと、
<緊急事態発生!緊急事態発生!>
脳内に【超カッコよかった】音声入りました。
ニヤケによる顔面崩壊が進行中!
鼻が極限まで伸びようとしています。
鼻の皮を引っ張り顔面崩壊を防いで下さい。
・・・
緊急!口がニヤけています!
両サイドの口が崩壊中!
頬の筋肉を強化しリフトアップします!
・・・
鼻と口の顔面崩壊は回避されました!
脳内に
まったく本人とは別人のイケメンに生まれ変わろうとしています。
まっまずいぞ!このままでは
直ぐに現実に呼び戻すよう脳内に現実の
・・・・
現実の
脳内
・・・・
3、2、1
はっ!?
おっ俺はどうしてしまったんだ?
確かポニー
「そっそれじゃ何処に食事に行きますか?」
「あっ駅前なんてどうですか?」
駅前と言うのは以前俺が行ったカラオケ等とショッピングモールがある場所だ。
「いいですね」
「それじゃあ
俺の予定は自慢ではないがいつもオールクリアーだ。
しかし、女の子と食事に行くような服を俺は持っていない。
ここは少し奮発して購入しよう。
そうすると土曜日に服を買うから…。
「えっと土曜日は少し用事があるので日曜日はどうですか?」
俺が言うとポニー
「もしかして彼女とデートですか?」
「えっ!?いやいや、俺に彼女なんていませんよ」
突然へんな事を言われ俺は動揺で変な声を出してしまった。
するとポニー
「ごめんなさい。それじゃあ日曜日の午前11時に広場にある時計の下で待ってます。それじゃあ」
ポニー
夢じゃないよな。
俺は誰もいなくなった廊下の壁に背中を預けてたたずんだ。
とうとう俺にも遅めの春がやってきたのかなと…。
俺は心が落ち着いたので自分の教室へと足を動かす。
そして俺は歩きながら思い出した。
俺がここに来たのは教室に美少女
教室に帰りたくねぇー!
俺をどんな目でクラスの奴らは見て来るんだ?
俺のメンタルはそんなに強くありません。
みなさんどうか俺に構わないでください。
俺はビクビクしながら教室の後方の扉から静かに教室に入る。
10人程度は俺の存在に気づいたが俺に声を掛ける人はいなかった。
まあ、良く考えればそうだよな。
俺に声を掛ける奴なんて中学からの友達の
その
最近俺の高校生活がどんどん加速しているような気がする。
しかもいい方向に向いている感じだ。
それら全てに関係しているのが俺の得意としている催眠術だ。
本当に覚えて良かった。
やっぱり催眠術に巡り合わせてくれた
俺は何気に窓の外を眺める。
木々の葉の色が夏色へと変わりつつある。
今年の夏はいままでの人生で一番楽しい夏にするぞと誓うのであった。
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