第4話 俺はおっぱいハンターではない

 俺が指をずらして『パチン!』と音を鳴らすと数多くの生徒が一瞬体をビクンとさせる。

 まずまずの人数が掛かったみたいだな。

 俺はさらに確認する為に声を発する。


 「いいねと思う人は左手を挙げて」


 俺はクラスの生徒に向かって命令を出す。

 左手を挙げさせたのには理由がある。

 ほとんどの日本人が右利きであり無意識に手を挙げると右手を挙げる。

 しかし催眠に掛かっている場合は俺の指示通りに左手を挙げるので見分けがつくと言う訳だ。


 男女の6~7割程度の生徒が左手を挙げ、さらに先生もが手を挙げた。

 俺は心の中で声を上げて笑う。

 これは楽しい高校生活が送れそうだ。


 だがそれに対して不思議がる生徒も多数いた為、俺は再度指を『パチン!』と鳴らして催眠を解除する。

 そして素早く壇上を降りて自分の席の一番後ろの窓際の席へと戻る。

 手を挙げている生徒はなんで自分が手を挙げているか不思議な顔をしているが得に問題はないだろう。


 俺は席に座り今後の行動を考える。

 ある程度の生徒は俺の思い通りになる。

 さらにおまけ・ ・ ・に先生まで付いてくるとは…。

 

 その後みんなの自己紹介が終わった後ホームルーム終了した。

 ホームルーム終了と同時にクラス内が騒がしくなり、クラスの端の方では遊びにいかない?なんて声が上がっていた。

 ここで行動力のあるやつなら自ら輪に飛び込んでいくのだが、残念ながら俺にはそんな度胸や行動力はない。

 今日も帰ってゲームの続きをやるか撮りためてあったドラマでも見るかなと、席を立とうとした時に俺に声を掛ける奴がいた。


 「おい、上杉うえすぎ。この後用事あるか?」


 高木だ。

 俺の中学の同級生の唯一友達呼べる奴だ。見た目は顔身長とも普通でさわやかな男だ。

 まあ、俺にこんな風に声を掛けるのはこいつだけだからな。

 そんで声を掛けられるのは悪くないよな。あっ高木の返事をしなくちゃな。


 「いや、特に用事はないぞ」

 「だったらさ、仲良くなった女子達と交流を深めにカラオケに行かねぇ?」


 俺は高木から視線を外し高木の後ろの方を見ると二人の女子がこちらの方を向いていた。

 やっヤバイ、ドキドキする。

 俺本当に一緒に行っていいのかな?

 そしてその言葉は俺の口からサラッと出た。


 「俺が行っても迷惑じゃないか?」

 

 すると高木が右手で俺の肩をバシッと叩く。


 「なぁ~に言ってんだよ。迷惑なら誘わないぞ。さっ行くぞ」

 

 俺は叩かれた痛みより高木の言葉で嬉しくなり笑顔で答えた。


 「ああ、喜んで」


 俺は高木とその女子二人と合流した。

 俺達4人は教室から出て昇降口へと向かって歩く。

 俺はその時、背中に視線を感じたので振り向くがそこには誰もいなかった。

 なんか見られていたような気がしたが気のせいか…。

 俺達は学校から最寄りの駅前まで歩きだした。

 

 「改めて自己紹介しようか」


 高木が何気なくカラオケまでの道でそんな言葉を発した。


 「まず俺は高木、東中出身で上杉うえすぎとは中学からの友達だ」

 

 高木はそこまで言うと俺に次はお前だと目線を送ってきた。

 俺はその合図に気づき俺も自己紹介をする。


 「上杉涼太うえすぎりょうたです。高木と同じ中学だ。よろしく」


 少し照れ臭かったがまあこんなもんでしょ。

 次に女子二人がお互いに目を合わせてから一人目が声を上げた。


 「安藤あんどうえみこです。西中出身でえりかとは友達です」

 「斎藤さいとうえりかです。えみこと同じ西中です。よろしくね」


 高木に付いて来てくれたのは安藤あんどうさんと斎藤さいとうさんだ。

 二人の女子高生には見た目で分かる特徴がある。


 まず、安藤あんどうえみこちゃんだが特徴はそうそれは男の脳を破壊するするにふさわしい武器を搭載している。

 おっぱいだ!デカいおっぱいだ!

 あなた本当に高校一年生なの?と疑いたくなるようなデカさだ。

 俺はおっぱいハンターではないので大きさを正確に当てるのが難しいが、母が昔自分はCカップだと言っていたのを思い出しそれと比べると…う!鼻血が!

 落ち着け落ち着くんだ!

 たぶん、彼女は恐らくだがE…いやFはあるだろうか、その見事にみのったデカメロンが目立つのだよ。

 もし、彼女の彼氏になれたらあれ・・を自由に出来るのか…いかん!変な事を考えていると地面から直立して立っているのが辛くなってしまう。

 落ち着け!落ち着くんだ!俺は一度深呼吸する。 


 次に、斎藤さいとうえりかちゃんだ。

 顔や身長等は一般的に言って普通な子だが、えりかちゃんそのスカートの短さは犯罪じゃないですか?

 少し前かがみになったら後ろから、おっおパンツが…想像するだけで鼻血が!

 椅子に座る時は是非俺の前に座って下さい。

 是非階段を登る時は俺の前を歩いて下さい。

 あっ手でスカートを抑えるのは禁止でね。

 はっ!?今わかりましたよ!

 何故なぜえりかちゃんがそんなに短いスカート履いている理由が。

 純粋な俺みたいなDTどうてい野郎を悩殺のうさつするのが目的だな。そして悩殺した後に自分のとりこにしてあやつろうと考えているんだろう。

 俺はそんな見えいた策略には乗らないぞ!

 

 最近…俺の推理力が増してきたように思えるな。

 もしかして催眠術を段々と極めていくとこうゆう豊かな推理力も強化されるのでは?

 と、俺はこんな風に女子達を評価し想像しているけど、彼女達からしても俺なんてどこにでもいる以下の男なのかもしれない。

 いや、たぶん、そう思われているんじゃないかな。

 身長はボチボチあるが顔はうーん、普通…イマイチ…いやいや、自分で過小評価しても駄目だ。

 

 こんな脳内バトルを繰り広げながら、俺達4人は駅前にあるカラオケに向かい歩いている。

 

 当然だがカラオケまでの道中は、安藤あんどうえみこちゃんが歩くたびに揺れるおっぱいをチラ見して、風が吹くたびに目線を斎藤さいとうえりかちゃんのスカートに釘付けしていた事は言うまでもない。

 あったぶんですが俺の目線は彼女たちにバレています。

 だけどその辺りは抜かりないです。


 学校を出る時にした挨拶の時に安藤あんどうえみこと、斎藤さいとうえりかには、『俺の目線には気づかない』と催眠術で命令を出しといたから(笑)。

 

 そして俺達は駅前のカラオケに到着した。

 俺はカラオケに着くと同時に安藤あんどうえみこと、斎藤さいとうえりかの催眠を解除した。

 今からさらに催眠を掛けようと企んでいるからだ。

 俺達は部屋を決めて4人で部屋に入った。

 俺は最初に高木健たかぎけんに催眠術を掛けた。

 そして命令する。

 『俺の行動を不審に思わない』と。

 これでこの部屋で起こった事はクラスメイトとかにバラされずにすむ。


 俺は正直歌があまり上手くない。いや、かなり下手な方に入ると思う。

 それを催眠術で上手く聞かせる案を考えたが直ぐに辞めた。

 だっていつかは歌が上手くないのがバレるからだ。

 それに歌が下手だとしてもあまり問題がないように思えた。

 それより密室ハーレムと行こうじゃないか。


 最初に高木健たかぎけんが歌い、次に安藤あんどうえみこ、斎藤さいとうえりかと今時の流行りの歌を歌った。

 そして俺の番が来た。

 俺が入れた歌は当然だがデュエット曲だ。

 俺は前に出てマイクを持ち曲が流れると同時に指を『パチン!』と鳴らす。

 そして巨乳の安藤あんどうえみこに命令を出す。

 『俺に寄り添って歌を歌へ』と。

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