第6話「呼び出し」

えーっとあの角を曲がって…それから?

俺はスマホのMAPを開いた。

うーんと、全然分からねぇ…。


午前9時過ぎの休日に一通のメッセージが届いていた。

「待ち合わせ場所に来てください。」

待ち合わせ場所って?

俺は体を起こすと寝ぼけたままでスマホを手に取る。


うーん…。


そのメッセージと共に1つの写真が添えられている。

この時点で俺は確信した。

本日は休みが無いのだとー。


近場までは来ている気がするんだが何処にこの建物があるのか分からない。

うろちょろした末に諦めて「何処にあるんだ?」と送信した。

すると直ぐにスマホが鳴った。

「そこの信号を曲がったところです。」

ん?

なんで俺の居場所が分かるんだ?

辺りを見回すと見覚えのある顔を見つける。

あ、おい!

「あ、バレました?」

彼女はそう言って、てへっと少しだけ舌を見せた。

そう彼女はー。

「それにしても奏汰さんの私服、初めて見ました。」

あれ、そうだっけ?

彼女は俺の服をじっと見てそれから俺の顔を見た。

そして、ニコッと笑う。

「そ、そう?」

ぎこちなく答えると、彼女がまた口を開いた。

「それじゃぁ、行きますか」

そして、踵を返し俺の前を歩くのだった。

その姿は、俺と会話をする気がない、と言った様子だった。。

ーENDー



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ツンデレ彼女が愛おしい 梨。 @Yuzunasi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ