第4話「修羅場?」
「俺くん。は誰を味方にしますか?▼」
あの後、ゲームをすることになった。
今流行りのフォーエバーという最新作のゲームだ。
確か…落ちこぼれ男子高校生の日常…みたいだった気がする。
俺はまだエピソード1の選択肢にいる。
丁度プレイしているところなんだが…。。
「なんでお前らも見てるんだ?」
俺は2人を横目で見て少しだけ目つきを悪くした。
「元々3人でやるって言ってたじゃない」
白石が正論で返してくる。
それに反応して俺も、
「いやいや、結局これプレイヤーは1人専用だから笑」
俺は鼻で笑ってそんな事も分からなかったのか?と付け足した。
さてと、現実世界での会話はここまでとしてゲームに取り掛かろう。
いつも上から目線の生徒会長◀
甘々な後輩ちゃん◀
ん?2択しか無いのか?珍しいな…。。
俺はそんなことを思いつつ、迷わず甘々な後輩ちゃんの方を選択しようとした。
だが、白石に腕を掴まれて洗濯できなかった。
「何すんだよ?」
俺は再び白石の顔を見ると何故か俺より真剣だった。
「これはフェイクよ」
ゲーム画面見るなり、白石は淡々とそう言い放った。
どういう事だ?
「つまり、「甘々な」につられて選択すると後から「毒舌キャラ」に変わる可能性もあるということ。それに対してこの生徒会長は最初から上から目線なんでしょ?という事は冷たい訳でもしかしたら途中から「甘々なキャラ」に変わることもあるって事よ」
白石は長々と説明してくれた。
こいつ、そんなにゲームやるやつだっけな。
とりあえず、そう聞くと生徒会長の方が良さそうに聞こえてきた。
「そうか?じゃぁそっちにしようかな」
俺がそう言うと白石はうんうんと頷き納得したかのように満足していた。
しかし、妹ちゃんが今度は黙ってしまった。
「お姉ちゃん…」
妹ちゃんは口を開くと真っ先に自分の姉の名前を呼んだ。
続けて言葉を紡ぐ。
「それは違うと思うんだ。えーっと、ゲームならこの場合「甘々な」後輩ちゃんは主人公を好きな可能性があるからその設定は変わらないと思うよ。それに対してこの生徒会長はずっと上から目線だから打ち解けるのに時間がかかると思うな」
こちらも長々と説明してくれてありがとう。
俺はもっと簡単に進めたいんだが?
少し呆れた俺は適当に選ぶことにした。
えいっ。
ボタンが点滅して選択されると生徒会長が現れた。
「私に何の用?」
上から目線って感じの態度に面食らってしまった。
何処となく誰かさんに似ているな…。。
誰とは言わないけど。
まぁ、いいや。
すると、妹ちゃんがまた黙ってしまった。
「妹ちゃん…大丈夫?」
俺は苦笑いを浮かべながら話しかけると、
勢いよく妹ちゃんが席を立って、
「奏汰さんはどっちが好きなんですか!!」
と直球に俺に質問した。
どっちが…とはなんだ?
ゲームのことか?
どうやら新たなゲームが始まってしまったらしい。
ーENDー
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