第8話 ゴブリンの巣を壊滅させよ

何故か驚異的な力を誇っていたダイラットの一撃が、俺の背中を襲ってから早一日、俺達ではあのダイラットは相手に出来ないと踏み、取り敢えず他のクエストをこなしていく事にしたのだった。

というわけで、ゴブリンの巣穴を攻略していく。

今回はナーナは連れていかない。

何故ならナーナはゴブリンに拐われるからだ。

拐われると何をされるか分からないのである。

まあ、文字数が1000文字を越えたら戻って来るのだが。

なので今回は、筋肉隆々の剣士カイ、細身無気力の盗賊ケイ、小柄デブの魔法使いコイの三兄弟と一緒に行くことになった。

だが一つ、現在道中にて、とても困った問題が発覚したのである。


コイカイ兄さんとケイ兄さんってさぁ、今日の昼何食べてた?」

ケイ俺カツ煮」

コイうわーいいなぁ!あの店カツ煮あったの知らなかったわ」

カイ俺はささみ唐揚げ定食だ!美味しかったぞ!!」

コイカイ兄さんささみ好きだもんね!」


兄弟の要らない会話が繰り広げられ、文字数がかなり取られている、という事だ。


ケイ今回はゴブリンの巣を壊すのが目標だったよな、カイ兄さん」

カイああ!!だが俺達の超連携があれば、10文字も使わずに壊滅させられるさ!!」


今すぐにでも「文字数が足りなくなるから黙っててくれ」と言えればいいのだが、彼らは初対面であり、そこまで言える仲ではなく、言葉を掛けるのを渋っていた。


コイそういえば今の文字数ってどのくらいになってるんだろう、カイ兄さん」

カイんー……200文字くらいだろ!」


と、コイが文字数を聞くという絶好のチャンスが訪れたので、ここらで口を開いてみる。


「あ、いや、616文字になってるぞ」

コイいやいやいや、そんな訳ないですよアスクさん、カイ兄さんが200文字くらいって言ってるんですから」

「いやあの、プレビューで見ると文字数が分かるんだよ。あと俺はアクスな。編集中にも大体の文字数は分かるんだけど、プレビューなら正確な文字数が」

コイいいやカイ兄さんは絶対に間違ってませんね!!そもそもカイ兄さんは俺達兄弟四人を面倒見てくれる最高の兄貴分、それを馬鹿にするのは初対面の相手と言えど許せませんが?」

「いや、別にそういう訳じゃ」

コイ何が別にそういう訳じゃないんですかアンタ、アスクだが何だか知りませんけど、そういう理論に乗せて人をつつく癖は止めた方が良いと思いますけどね!!そもそもアンタにカイ兄さんを言えるような実力があるようには見えませんし、そういう噛みつきは

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