餌付け2

 大学進学を期に始めた一人暮らし。自炊生活も三年を超え、最近の淡島は料理を楽しむ余裕も出てきた。たまたま時給が良かったから選んだカフェ風居酒屋でも仲良くなった厨房の先輩にレシピを教えてもらい、たまに振る舞ったりする事もある。この前はサフランを分けてもらって、フライパンで作るパエリアに挑戦してみた。具は冷凍の魚貝ミックスを適当に入れただけだが、あれはなかなかの逸品だったとこっそり自画自賛。

 けれど同居人は淡島の料理を褒める事は滅多になく、次は海老のアヒージョがいいですと注文を出しながらおかわりの皿を押し付けてきた。貴様を刻んだニンニクと一緒に油で煮てやろうか。ツンデレだか何だか知らないが、そんな事して許されるのは可愛い女の子だけだ。しかし時々好みじゃないからとバイト先で差し入れ菓子(高い)をお裾分けされてくるので譲歩してやっている。

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