第6話 かりんの回想
わたし、昨夜、何をしていたのか思い出せないのです。
目の前にはうらら先輩が居て、わたしは大きな器に入れられて、外には旦那様と奥様がわたしたちを観ていた。
それから、一切の事を覚えてないのです。
ただ目の前の世界が紅く染まって、何だか訳のわからない、でも気持ちいいのがいっぱい押し寄せて、もう何が何だかわからなかった。
あれは何?何なの?とても気持ちよくて、永遠に味わったらどうなってしまうのだろう?
他のメイドの女の子は何も教えてくれないの。みんな、今に解るよ?とだけ伝える。
わたしがこの
海蛇家は日本の名家。だから、お給料も結構貰える。する仕事は他の家のメイドと大してかわらない。洗濯物も食器洗いも専属の人が居て、わたし達がする事はお嬢様のお世話と旦那様と奥様のお世話。
最近は
昨夜。わたしは全裸でいつの間にか寝ていた。起きた時はもうベッドの上に居て、でも誰かが毛布を掛けてくれていた。みんなはもう慣れたように身支度をしている。
「ねえ?うらら。昨日はどうだったの?」
仲間のさやかが気軽に訊ねた。他のみんなも興味深く耳を傾ける。
うららは照れた様子で、話す。
「とても……気持ち良かったです」
「うららは旦那様のお気に入りだからね」
「ゆきこさん。私だって旦那様に認められましたよ」
「でも、あちらはまだお世話してないでしょう?」
「は、はい。た、確かに」
「海蛇家のメイドは旦那様のあちらをお世話して一人前になるのですよ?」
「何回くらいでしょうか…?」
わたし、恐る恐る聞いてみました。
何か今、とても大事な話だと想って。
リーダーの
「最低、3回は、お世話しないとかしら?」
「あの、うららさんは何回目ですか?」
「私はもう5回目でした、昨日で」
「うららさんは適性がありますから」
「さやかさんはここに来てどのくらい経つのですか?」
「え〜と、半年くらいかな?」
「なら……そろそろ旦那様のご指名があるかも知れませんね」
ここで働くメイドはわたしを入れると主に5人。リーダーの
「さくらさんは?」
「さくらなら今頃、ダイニングルームよ。彼女は早番だから…今日は」
わたし達は住み込みでメイドの仕事をしている。だから朝食の日は早番になる事が多い。もちろん遅番の日もある。わたしとうららは遅番だった。
そういえば、わたし、今日は休みだったっけ?とりあえずシャツを羽織ったわたしは、勤務時間を見た。
えーと。今日はわたしは……。勤務表には特別という文字がある。何?特別って?
「ゆきこさん。この『特別』って何ですか?」
「今日の予定?」
ゆきこさんも勤務表をみる。そして大きく頷いた。
「来たわね。かりんちゃん。旦那様のお世話係の日よ?この日は給与も特別なの。ボーナスを頂けるのよ。がんばって?」
「私の今日の予定は……と。日勤ね。雪村様の世話係だし」
「私は?」
「うららちゃんは今日はお休みだよ。昨日は真夜中まで働いたもんね」
「良かった……ぐっすり寝ようかな」
そうして、うらら先輩は寝息を立て眠った。ゆきこさんはこの特別な日は夜遅くに呼ばれる事を教えてくれた。
「今のうちに寝ておいた方がいいわ。後、起きたらシャワーを浴びて、清潔にしてくださいね。下着も替えておくのよ?」
そうして、さやかとゆきこさんは部屋から出て、仕事に向かった。メイドの宿舎にはうらら先輩とわたしだけになった。
夜。23時。
ゆきこさんに連れられ、やってきたのは、旦那様の私室。旦那様と奥様はそれぞれ自分自身のプライベートルームがある。常に一緒というわけでもなく、別々に行動する時もあるみたい。
ゆきこさんが緊張するわたしを心配して一緒に着いて来てくれました。
品のあるノックをすると、旦那様がドアを開けました。
「来たね。かりん。ゆきこ、心配して一緒に来たのか?」
「はい。何せ、初めてですし。かりんちゃんは」
「助かる。外で待っていてくれ。後で呼び鈴で呼ぶから」
「はい。かりんちゃん、粗相はしないようにね」
「あ、あの……」
「お入り?かりん?」
旦那様のお部屋に入ると、旦那様はわたしをベッドに寝かせました。
旦那様に覆いかぶされるわたし。不思議な瞳が熱くわたしを見つめています。
どうしよう……何だか……怖い。
「怖いかい?かりん?」
「……は、はい」
「昨夜の事を覚えているかな?」
「それが、記憶が無くなっていて、何も覚えてません」
「じゃあ……君があの時どうなっていたか、教えてあげる。この体にね」
「ンンッ…!旦那様…!」
甘い香りとキス。わたしの唇を確かめるようにゆっくりとキスしてる。
旦那様の舌がわたしの舌をもてあそぶ。
奥様はこんなキスを味わったんだ。
なんだろう?頭の芯が痺れる。
唇が離れると、旦那様が甘く囁いた。
心臓に直接届く声で。
「かりん。私の前でもっと乱れておくれ?昨夜の君は最高に綺麗だった。その姿を独占させておくれ?」
メイド服が脱がされる。ゆきこさんからブラジャーは着ないできてと言われた。すぐに裸になっちゃう。
旦那様の唇が胸を這った。
「アンッ!アンッ!旦那様…ァ」
「可愛い胸だね。弄ってあげる」
桃色の舌が乳首を舐めてくれる。どうしよう…身体が跳ねちゃう。
昨夜の感触がよみがえる。
うらら先輩にもいっぱい舐めて貰ったんだ。それを旦那様にもして貰っているなんて。
「アンッ!アウン!旦那様…旦那様…!」
「可愛いよ…かりん。これが何か解るかな。この今感じる感覚…」
「何ですか…気持ちいい…」
「快楽だよ。最初に言っただろう?この屋敷では快楽に身を任せた方がいい…と」
旦那様の手が下着を下ろす。
新品の白いパンティーに染みがある。旦那様はそこを舐める。
「同意の印だね。大きく股を開いてごらん…?恥ずかしがらずに」
わたしは目を閉じ、股を開いてみた。
すると、股の間に旦那様の舌がきた。蜜を味わうように音を立てる。
これ……。記憶が飛んだ時と同じ。こんな感覚がずっと続いて、なくなったんだ。
すると、今度は硬い何かの感覚がくる。
わたしは目を開くと旦那様が全裸になってわたしの中にアレを入れていた……。
い、痛い。痛い!
「痛い!」
「キツイ訳だ。初めてか」
あの不思議な両方の眼が優しく輝く。
わたしの体を抱きしめそして囁いた。
「優しく抱くね。どうして欲しい…?」
「あの…アソコを…もっと…舐めて…下さい」
「わかった。溶けて無くなる位に舐めてあげる」
「アン…アン…アン…旦那様のこれ…スゴイ気持ちいい…」
「かりんのここも美味しいよ。まだあの美酒の味がする……」
「アアッ…アアッ!旦那様…アアッ…スゴイのがくる…!津波みたい!」
「震えているよ。これが何か解る?」
「何ですか?アアッ!頭のナカがめちゃくちゃになっちゃう!」
「君達、女性が最高に満たされる瞬間だ」
わたしは、その時、知った。
これが『快楽』というものだと。
まるで
こうして、わたしの今夜の特別勤務は終わった。
そして度々、旦那様の性戯の相手となるわたしが、そこにいた。
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