ブクマがはがれたときに唄ううた

つづれ しういち

ブクマがはがれたときに唄ううた

 さようなら

 さようなら

 愛しいひとよ


 「なにかおもしろいお話はないかな」って

 せっかくわくわくしながら来てくれたのに

 その期待にこたえられなかったのかな

 ごめんね


 でも私はこういうのが大好きなんだ


 もだもだしてて

 どこか愚かで 

 でも必死でだれかを大切に思っている

 守ろうとして足掻あがいてしまう

 そして自分の信じた道をまっすぐに生きようとする

 そんなものがたり

 だからどんどん書いてしまうの


 あなたはきっと

 ほかのもっと素敵な人のところへいってしまうんだね

 それでいいよ

 かなしいけれどそれが人生だよね


 いつか私のものがたりが

 またあなたの人生とまじわる日がきたらうれしいな

 そうしたらまた

 ここで楽しんでもらえたらいいな


 さようなら

 さようなら

 愛しいひとよ


 部屋の片隅で

 電車のなかで

 放課後の教室で

 スマホを片手に

 パソコンの画面をまえに

 ほんのわずかでもあなたのだいじな命をつかい

 わたしのものがたりへ遊びにきてくれてありがとう


 いま同じ時代を生きてくれているあなたが

 これからもこの電子の海のどこかで

 しあわせなものがたりにめぐりあえますように


 それを 心から願ってるよ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ブクマがはがれたときに唄ううた つづれ しういち @marumariko508312

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ