08

 腹が立った。

 学校に通って。その上で、好きに休んで。勝手に泣いて。昨日、多少同情したのを後悔した。

 放置しよう。そう決めて、普通に客をさばいていく。昼前には人の入りが少なくなる。その間は、昼のラッシュに備えて品出し。イートインコーナーは無視。昼の客にのまれて帰ってしまえ。

 昼のラッシュが来た。案の定、イートインコーナーが埋まっていく。彼女。押し出されるように、イートインコーナーの端においやられている。

 そのまま帰ってしまえ。そう思いながら、なんとなく眺める。

 彼女が、こちらを見る。切ない目つき。


「はあ」


 昨日も、そうだった。どこをどうすれば、そんなに哀しげな瞳になれるのか。まるで分からない。


「どうぞ。裏に」


 イートインコーナーから避難させた。昼のラッシュが終わるまでは、彼女どころではない。

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