11 .僕は暗闇で、弱点を突く。

「おりゃー!!!」


 そんな声が聞こえた。

 そして、次の瞬間なにかが僕にまとわりつく。


「うわ!!!」


 ど、どうしよう!

 これが例のモンスターか!?

 それならハグを……って、モンスターに抑えられてるから手が使えない!


 こうなったら……。


「……」


 僕は意を決して、モンスターに顔を近づける。

 モンスターの顔は見たくなかったので、目をつぶってキスをした。

 思っていたより、柔らかい感触が唇に伝わる。


「た、立石?」


 ん?

 この声は……。


「まこさん?」


 目を開けると、暗闇にうっすらとまこさんの顔が浮かんでいる。


「お前、それって……」

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