8 .私はあいつに、お土産をあげる。

「まあ、立石はそのときパンツ一丁だったんだが、それでもかっこよかったぞ」


「へ〜、立石君ってやるときはやるんだね」


「そうそう」


 あいつは私のことになると、ものすんごいやる気を出すからな。


「それじゃあ、立石君にお土産あげようか」


「お土産?」


「ほら、着いたよ」


「着いた……?」


 目の前には、大きな建物。

 それに、一面の野原。

 喋りに夢中で、いつの間にか町を出ていたことに気づかなかったみたいだ。


「リンゴ、好きかな?」


「さあ、どうだろう」


 恥ずかしながら、今まで好きな食べ物なんか聞いたことがなかった。


「まこさんからもらったら、きっと喜ぶよ」


「そうだな」


 あいつの喜ぶ顔、見てみるか。


「あれ」


「どうしたの?」


「私の目的って、あいつを助けることじゃなかったか?」


「……いいの、早く行きましょ!」


 私は女の子に押されて、中に入った。


――――――――――――――――――――


「いや〜、大量大量!」


 リンゴがこんなにあるなんてな〜。


「そうだね」

「それじゃあ、本題に移ろっか」


「本題?」


 なんだっけ。


「も〜! 忘れたの?」


「……」


 なにかあったよな。


「た・て・い・し・く・ん!」


「あ〜〜〜〜!!!」


 思い出した!


「ほら、洞窟に行くよ!」


「お、おう!」

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