4 .私はネコミミの女の子と、町に出る。

「こんにちわ〜」


「……」


 なんだ、さっきのやつはどこに行った?

 このネコミミの女の子が甲冑の中身なのか?


「あの、さっきの甲冑がどこに行ったか知らないか?」


 たぶん年下だろうから、由衣ちゃんに話すように優しく語りかける。


「う〜ん、知ってるよ」


「なに!?」


 知ってるのか!


「教えてくれ!」


「ダ〜メ」


 断られた。

 彼女は笑っている。


「どうして!」


「どうしてって……それは言えない」

「でも、私とデートしてくれたら教えてあげる」


「デ、デデデ、デート!?!!?」


 なんて言った!?

 聞き間違いか!?

 今、デートって……。


「デート行かないの?」


「私には……立石がいる!」


 混乱してそう口走ったが、もしかして変なこと言ったか!?


「ふふ、私にも佐藤がいるよ」


「佐藤?」


 さっき聞いたような。


「ちょっと私とお散歩するだけ」

「そしたら、教えてあげる」


 お散歩……。

 それなら……。


「どうするの?」


「行くぞ!」


「よかった」

「それじゃあ、行こっか♪」


「ぐっ!」


 ミカエルスマイルに匹敵するほどの笑顔を見せて手を繋がれたら、平常心を保てない……!

 動揺する私は半ば引きづられるように家を出た。

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