3 .僕はネコミミの女の子から、地図を貰う。

「あ、こんにちは〜」


「あれ?」


 目の前には、椅子に座ってのんきにお茶を飲む女の子。

 頭には……ネコミミがある。

 コスプレかな?


「あの」


「さと……彼の居場所を知りたいんでしょ?」


 意地悪そうに微笑んでいる。

 まるでまこさんみたいだ。


「は、はい……」


「まこさんを助けたい?」


「は、はい!」


「ふふ、正直ね」


 なんか、もてあそばれてる?


「はい、これ」


 彼女がテーブルに置いてある丸めた紙を僕に差し出した。

 なんだろう?

 僕は手に取り、広げてみる。


「この町周辺の地図よ」

「丸で囲ったところが、試練の場所」

「バツがついてるところが、まこさんの居場所」


 彼女の言うとおり、印がついている。

 ここにいるのか。


「ちゃんと試練の場所にも行かなきゃダメよ」


「なぜですか?」


「ズルしたら、返してくれないよ」


「え!」


 それは困る。


「でも、僕一人で……」


「も〜! グダグダ言ってないで早く行くの!」


「え、ちょっ!」


 僕は家を追い出された。

 とりあえず臓器売買ではない……のかな?

 いや、まこさんが危ないかも!


「えーと、これって……町の外?」


 地図を片手に、僕は歩き出した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る