ウサギのミミの大冒険

第5話 新しい巣穴

　お日様がマリーゴールドのようなオレンジ色をし始めたとき、ミミとトトは深森につきました。

　「ミミ！トトに会えたんだね！」小鳥のピッピが真っ先に飛んできて嬉しそうに叫びました。アナグマのチコ、フクロウのオウル、熊のデデもすぐにやってきて二匹を囲んでお祝いをしました。「おめでとう！新しい巣穴が作れるんだね。」と熊のデデがいました。

「そうだね、早く作ろう！もう日が暮れるよ。」二匹はすぐに小麦畑に走りました。

　みんなが見守る中、トトはミミに丁寧に巣穴の作り方を教えました。それからミミとトトは力を合わせて前よりも広く快適な巣穴を掘りました。

　森のみんなの前でトトは言いました。「実は、帰り道に農場主のスティーブンさんに会ったんだ。これからは僕たちの巣穴は壊さないでいてくれるよう約束してもらったんだ！」森のみんなはトトのこの言葉に驚きました。人間と約束を結んだだって？！みんなはトトの勇気をたたえました。ミミは自分のお父さんがみんなに褒められてまるで自分が褒められているように感じました。（僕のおとうさんはすごいんだ！）お空には一番星が今までで一番明るく輝いていました。

　その日の夜、二匹は暖かい巣穴で安心して眠りました。（なにか忘れているような・・・。そうだ！サリにお礼を言い損ねたんだ。明日、お父さんと一緒にサラサラ川にいこう。サリに会いに行くんだ。）夢見心地の中ミミはそう考えていました。とても幸せな気分でした。

　お空ではお月様が優しく小麦畑を照らしていました。　　おわり