最終話 メスガキは、わからせられない!?

「まったく、キミってやつは」


 ジョシュアは、見舞い品のチーズケーキを踏み潰してやろうかという気になった。


「しょうがないでしょ? 病院ってのは、性欲が溜まるようにできてるのよ。『疲れマラ』ってやつ?」


 またリヨが、ニヒルな笑みを浮かべる。いつものように。


「自粛できないのか?」

「アタシから性欲を奪ったら、何が残るってのよ? ああ、よかったわ。また来てね」


 リヨが、看護師を帰らせる。


「しかし、よく生きていたね」

「これでも面会謝絶だったのよ」


 数日の間、リヨは週宇宙魔導治療室に入れられていた。ミラには本当に感謝している。ミラは自分のせいでこうなったからと、治療班になってくれたのだ。


「ごめん。ボクが再召喚できたらよかったんだけど」

「あんたのせいじゃないわ。あんたの魔力はガキの頃より成長している。アタシなんてすぐに再召喚できたでしょう」


 こっちに長居しすぎたせいで、リヨと他の人との縁が定着しすぎたのが原因らしい。


「毎晩毎晩オフパコしていたら、こうなるわよね」

「なんのオフ会なんだよ?」

「そりゃあ、決まってんじゃないのよ! 『ジョシュアの尻オフ』よ。誰が先にジョシュアのお尻を奪うか、競ってんのよ。みんなあんたのお尻を狙って、大人のおもちゃだって買ってるんだから」


 ひどいオフ会だ。


「アタシのことはいいのよ! あんたはどうなったの?」

「ああ。連れてきたよ」


 ジョシュアは病室に、ミラを連れていた。お互い、おそろいの指輪をはめている。


「やるじゃない。似合ってるわ、ミラ」

「ありがと。私、ホントはあなたを疑っていた」

「どういうこと?」

「ジョシュアが好きなのは、あなたなんじゃないかって」


 あまりにも仲が良すぎたので、誤解してしまったらしい。


「アタシが、コイツを? ハン! バカ言わないで! 誰がこんなモヤシと?」


 ジョシュアだって、ゴメンだと思った。彼女は友人ではあっても、性的な関係になんてなりたくない。


「こんなヤツをモノにするんだったら、誰もいないところで見つめて『キスしよ』っていったら一発よ。そうアドバイスしたでしょ?」

「そうだった」

「アタシが興味あるのは、ジョシュアのお尻だけよ。それまでに処女喪失を済ませておいてよね」

「そうする」


 なんという約束をしてくれたのか。


 検査があるというので、リヨが席を立つ。数分後、リヨが帰ってきた。


「今日、退院していいって」


 手続きを終えて、リヨが自宅に戻る。


「ああ、やっぱり家が一番ね。おなかすいちゃったわ」

「わかってる。ステーキと赤ワインだろ? 用意してる」


 その後、リヨとささやかな退院祝いをした。


 ステーキを焼いている間、ミラに物陰へと誘われる。


「キスしよ」


 そこで、ジョシュアはミラと口づけを交わす。




 その夜、ジョシュアはミラの手で童貞を卒業した。


 直後にジョシュアは、リヨの手によって処女も失うことになるが……。



(おしまい)

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そのモフモフ、メスガキにつき ―三十路DT魔術師、懐かないフェンリルに勝つため鍛えていたら無自覚最強に。ロリダークエルフの彼女までゲット― 椎名富比路@ツクールゲーム原案コン大賞 @meshitero2

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