オシリ見せなさいよ

「キミが、ボクをトレーニングするっていうの?」

「ええ。そうよ。今のアンタはチビでデブだけど、アタシ好みのカワイイ顔してるわ。将来有望ってところね。でも、今のままじゃ永遠にアンタの望むものは手に入らない。だから、このアタシがアンタを一から鍛え直しすのよ」


 しなを作り、リヨがジョシュアの方へにじり寄ってくる。


「どう? 憧れのムキムキ魔術師にだってなれるわ。大好きな魔法少女だって、思いのままよ?」


 リヨがジョシュアに顔を近づけた。


「ボクやるよ。リヨ、よろしくおねがいします」


 最強の召喚獣フェンリルから、指導をもらえるなら、ありがたい。


「いいお返事ね。わかったわ。強くしてあげる。その代わり……」

「どんなことを要求するって……うわ!」


 いきなり、リヨがジョシュアを抱きかかえ、ベッドに押し倒す。


 ジョシュアをうつ伏せに寝かせ、リヨが馬乗りになった。


「どう、アタシが大人にしてあげるわ」

「結構です!」

「とはいっても、オトナになるのは後ろの方だけどね!」


 せっかくの着替えを、また脱がされてしまう。


「忘れられない夜……朝にしてあげるわ! 即朝チュンってヤツかしら?」

「もっといらないよ!」


 ダメだ。コイツは、自分が気持ちよくなりたいだけだろう。


「大丈夫。交代で前の方もちゃんとオトナにしてあげるから。ささ、オシリ見せなさいよ!」


 ジョシュアの下着がずり下がり、オシリが丸見えになった。



 その瞬間、リヨのノドをライフルの銃身が持ち上げる。



「ちょ、ちょっと冗談が過ぎるんじゃないパパさん?」


 諸手を挙げて、リヨが後ろに下がった。


「父さん!」

「下がっていろジョシュア! まったく、メイドがおかしな事を言うから様子を見に来たら、お前ってやつは!」


 父が魔法術式ライフルを、リヨに向けた。


「父さんやめて!」


 リヨを抱きしめながら、ジョシュアは銃を下ろすよう父に懇願する。


「息子から離れろバケモノ!」


 ジョシュアが叫ぶのも虚しく、父は引き金を引いた。


 壁に穴が開く。正確には、ジョシュアが大切にしていたに穴が開く。よりにもよって股ぐらに。


「ワオ! ホワオゥ!」


 手をバタバタさせて、リヨはわめいた。


「あんたは、息子が妄想で呼び出したお友達を撃ってる! ポスターに張った魔法少女の股ぐら付近で!」

「息子から離れろと言っているだろ、このチ◯ポコやろう!」


 鋭い眼光で、父がリヨを射抜く。


「大丈夫だよ父さん。ボクがリヨ……フェンリルをちゃんとしつけるから!」

「さっきケツを掘られる直前だったろうが!」

「パンツを噛まれたくらいだよ! もういいだろ! 発情期なだけ! このステーキだってそうさ! だから安心して!」


 必死でジョシュアは父を説得するが、信用してもらえない。


「本当かい?」

「ボクはもう、弱虫なんかじゃない! コイツを追い出すなら、ボクも出ていく! 一人で働くよ!」

「本気で言っているのか? 洗脳されているんじゃないのかい?」

「頭をどうにかされているなら、とうにボクは召喚獣にオシリを捧げているさ!」


 眉間にシワを寄せながらも、父はリヨに銃口を向け続けるかどうか悩んでいる様子だ。


「ボクを信じてくれないか? ボクは父さんの子だ。フェンリルなんて怖くないんだ! ほら!」


 わざと、ジョシュアはリヨのシッポを掴む。


「ちょっとやめなさいよ!」


 ジョシュアの手をペンペン叩くが、ジョシュアは手を緩めない。


「わかった! 負けよ負け! 冗談が過ぎたわ。あんたの息子はたいしたものね」


 ハンッ! と鼻を鳴らしながら、ベッドで足を組む。


 ようやく、ジョシュアも手を放す。


「もう二度と、息子に手を出さないと誓うか?」

「ええ。もちろんよ」

「わかった。置いてやるから、おとなしくしておけよ」

「アタシはフェンリルのテオ……リヨよ。リヨと呼んでちょうだい。お父上」


 目を合わせようとしていないが、リヨは父と和解した。


「家においてもらえる代わりに、アタシがこのガキを鍛えてあげるわ」


 ことの事情を話して、リヨは父の了解を得る。


「ヤるなら今よ。早く着替えなさい」


 自分が脱がせたくせに、リヨはジョシュアに着衣を促した。

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