いや‥…そうじゃないか。



凹むのは後だ。


愛ちゃんの今の状況を何とかしないと。

それで許されるとは思わないが、今のオレに出来る事は?


マサキの居所を突き止めて止めさせる。



それから



「それから……愛ちゃんの事なんだけど」


「はい」


「オレ達が平気だって言っても、安堂とのケリがつかない限り、愛ちゃんは男を受け入れると思う。だから、お前がしっかり守ってやれ」


「わかってます」


 

本当、男前だよ。



「よし! 今日は楽しかったよ。紫津木のタメ口が聞けたからな」


「すみません!」


「いいよ。男同士の話だったからね。 いつもより、近くに感じれて良かった」



本当に。



「という事で、紫津木の奢りね」


「はあ?」


まあ、これぐらい良いだろ。




紫津木は、支払いを済ませた後、女の子に、


「ミクちゃん。今日は、なんかごめんね。 今度、ゆっくり遊びに来るよ」


と、笑顔。



良かった。いつもの気遣いが出来る紫津木に戻ったみたいだな。



「なあ、紫津木。これからも、仕事以外の話だったら、タメ口でもいいぞ」



いきなりの申し出に、きょとんとした顔。



「お前に、タメ口で叱られた時、ゾクゾクしたから」


「なっ?!……か、勘弁して下さいよ」



クックッ


珍しく、慌ててる。


 

本当の事だぜ?




オレってMっ気あるかもな。






知られたくない end




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好きだなんて言えない 番外編 蒼井 草太 @soraoi

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