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「それでは、お話を伺ってまいりますので、よろしくお願いします。 前もって話しておきますが、答えたく無いことに関しましては、答えて頂かなくても結構ですよ」
今回は、僕が質問して、調書を取る係は、後藤さんが務める事になった。
「それでは、まず…」
「その前に、ちょっといいか?」
「はい。解らない事があるのでたら、何でもどうぞ」
「答えなきゃいけない質問には、極力答えるように努力する。その代わり、答えなくてもいいような、どうでもいい質問は、しないで欲しいんだけど?」
は?
「……どうでもいい質問?」
挑むように僕を見据える視線。
完全に敵だと思ってるよね。
「そう。オレ、早く帰えりてぇんだけど」
「再び成田ですか?」
「いや、先方には延ばしてもらった。 そうじゃなくて…一刻も早く会いたいヤツがいるから…」
一刻も早く会いたい……初めて聞く、具体的に想像してしまう言葉。
如月さんの事だろうか…
「如月さんとは、どういうご関係なんですか?」
「それ、答えなきゃいけない質問?」
と、前のめりになり、プレッシャーをかけてくる。
「…いえ…」
目の前のイケメンは、片眉を上げて、「そういう事だよね」と、挑戦的な笑みを浮かべた。
やりにくい。確かに強制ではないが、2人の関係性を知っておいた方が、質問しやすいのも事実で……
完全に負けてる…。
質問内容を纏めたA4サイズの用紙を眺めてから再び顔を上げると、
紫津木藍が身を乗り出していて、顔が…モデルの顔が…、ちかっ近い!息がかかるほどの距離にいた。
「ぁ…あの…」
「アンタ、どんな関係か気になんの?つか、気になんのは、愛の方?」
うわ…!
さっきの、被疑者見下ろしてた目つきと同じ?!
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